画家・Junaida ヒット絵本「の」制作秘話…言葉の不思議さ、面白さがヒント

引用元:TOKYO FM+
画家・Junaida ヒット絵本「の」制作秘話…言葉の不思議さ、面白さがヒント

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。2月2日(日)の放送では、画家・junaida(ジュナイダ)さんが登場しました。

◆画塾で読んだ本がキッカケに

junaida:絵本に注目したのは、美大の受験に備えて受けた“画塾”がキッカケでした。

高須:なるほど。

junaida:画塾の本棚に「ボローニャ国際絵本原画展」の図録がありまして。1980年代ぐらいの、随分昔のものでした。それを読んだときに“これは良いぞ”って思ったんです。それまでは、専攻を日本画にするか洋画にするか漠然と悩んでいたんですね。

だけど絵本って、すごくとんがった絵もあるし、おっかない絵もあって。「絵本は子どもだけが見るもの」って思っていたんですけど、こんな広い表現ができるんだなって思いました。そして、絵本を勉強できる学科を探したら、京都にあったので、そちらに進学しました。

高須:どんな勉強をするんですか?

junaida:それがねえ、全然勉強しなかったんですよ(笑)。

高須:俺もそうやったわぁ。

junaida:大学のなかよりも外のほうが面白かったですね。バンドをしていました。

高須:音楽の世界に行っちゃったってことですね。せっかく専攻で行ったにもかかわらず。

junaida:(笑)。卒業制作で絵本を作りましたね。ただ、バンドや他のことをしていたのは無駄ではなくって。大学生として4年間、頑張ることやサボることを思いっきりやった実感がありました。それが卒業制作にも込められたんじゃないかなって思います。

◆すべての人に向けた絵本を作りたい

junaida:絵本をちゃんと描いたのは、「Michi」って作品が最初なんですけど、2018年に出したんですよ。

高須:えっ、そうなんですか! じゃあ最近ですね。

junaida:自分にとって、絵本があまりにも大事なものだったので、ポンと出せなかったんですよ。

高須:“発表するなら自信作じゃないと”って思いがあったんですね。サクっと出すものではないなって。

junaida:そうですね。

高須:いろんな絵本作家の方がいるじゃないですか。「これって何が面白いの?」ってやつでも、子どもには何十年も読み継がれているものがあったりしますよね。大人が哲学として捉えて楽しむ本があったりもしますし。そういう感覚で、“サクっと絵本を出してみようかな”って思ったことはなかったんですか?

junaida:僕は、イラストレーターでも、絵本作家でもなかったので、描いた絵を画集にして発表していましたね。僕が思い描く絵本というのは、子どもたちに向けて描くものではあるんですけど、大人のことも無視できないもので。要は、“子どもに向ける=すべての人に向ける”。老いも若きも男も女も、どんな人にも楽しんでもらえるのが絵本の面白さだと思っていました。

なので、いろんな人に楽しんでもらえる、アイデアのピントが合うまでに、十何年もの時間がかかりました。