「ガンダムになんてポーズを…」ではなく、注目すべきは“可動域” ガンプラ40年で獲得した“人間味”

引用元:オリコン
「ガンダムになんてポーズを…」ではなく、注目すべきは“可動域” ガンプラ40年で獲得した“人間味”

 昨年末、世界的工業デザイナー奥山清行氏×演出家・映画監督松尾衡氏が再現する「記憶の原点」と題し、2019年の「ガンダム40周年」および2020年の「ガンプラ40周年」を彩る特別なガンダム『G40』が登場し話題となった。そして、本機体を使った女体ポーズをTwitterにアップし、1.7万リツイート、3万いいねとバズった漫画家・貞松龍壱氏(@ryuichizzz)を取材。ガンプラ可動域進化への想いや、「人間らしいフォルムや動き」に見出した“ガンプラの未来”について聞いた。

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■ガンダムから受けた影響は、各国、軍、民間組織、テロリストが運用しているという概念

――貞松さんのご職業を教えてください。

【貞松龍壱】漫画家、イラストレーターをやっております。『別冊少年マガジン』にて「BUSTER DRESS(バスタードレス)」(全4巻)という戦闘ロボットを描いた漫画を連載していました。ほか「モンスターハンター」シリーズのライトノベルの挿絵や、朝霧カフカさん著「ギルドレ」のメカニックデザインなども担当しております。大変光栄な事に「SDガンダム」の30周年を記念して2019年に『ヤングマガジン』から発売された「SDガンダム スペシャルアンソロジー」にも一作品描かせて頂きました。

――Twitterではプラモデルへの取り組みも呟かれています。貞松さんがプラモデルの魅力に目覚めたキッカケは?

【貞松龍壱】最初に触ったプラモデルは食玩だったと思います。我が家では「おまけ付き」と呼んでいました。ロッテのスーパージョイントロボや、カバヤのバイオパズラー。あと記憶に残っているのはカバヤが出していた、アニメ「伝説の勇者ダ・ガーン」の伝説の勇者ダ・ガーンガム。スカイセイバーという飛行機が3体合体するロボットの最後の1体がどこにも売っておらず、父に車で何軒もスーパーを巡らせてしまった記憶があります。本格的にプラモデルに派生していったのは小学3年生くらいの頃に出会った漫画雑誌『コミックボンボン』が強く影響していると思います。新商品の広告や、ライターさんによる作例、武者頑駄無シリーズのコミカライズに、ガンプラを取り上げた漫画(今木商事先生著「プラモウォーズ」)などなど、毎月たくさんの情報が掲載されており、幼い僕は完全にやられてしまいました。5年生くらいから『ホビージャパン』、『電撃ホビーマガジン』なども買い始めましたね。

――やはり、子どもの頃はSDガンダムに惹かれますよね。

【貞松龍壱】最初の頃はアニメのキットではなく、SDガンダムばかり組んでいました。田舎の出身なので、そもそもガンダムシリーズがテレビで一切やっていなかったんですよ。なので、武者頑駄無シリーズや「SDガンダム外伝~黄金神話~」なんかが好きでした。

――昨年、機動戦士ガンダムは40周年を迎えました。ガンダム作品が貞松さんに与えた影響は?

【貞松龍壱】ガンプラでなく、ガンダムから受けた影響といえば、巨大ロボットは各企業が開発し、それを各国、軍、民間組織、テロリストが買い取り運用しているという概念です。自分が作品を作る上でも、この概念を重要視しており、“どこの誰が、どんな設計思想で、どんな理由でこの巨大なロボットを造ったのか”は常に意識するようにしています。巨大ロボットといえば、異星人からの贈り物であったり、一人の博士が作り上げたものだったり、その出自が超常的な場合も多いので「リアル」を意識した作品を作る際には1つの重要なファクターになり得るのかなと思っています。