童貞男子・奥手な純情女子夫婦 夜はいつ、いとなめる? 『いとなみいとなめず』

引用元:マグミクス
童貞男子・奥手な純情女子夫婦 夜はいつ、いとなめる? 『いとなみいとなめず』

 交際経験なしのピュアな男女が結婚し、夜の夫婦生活をどう「いとなんで」いくのかという過程を描いた、水瀬マユ先生の『いとなみいとなめず』。電子書籍配信サイト「コミックシーモア」で開催された、『みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2020』女性部門を受賞した同作品は、「お互いにお互いを思ってる純情ラブ」「かわいすぎて憤死する」とTwitterでも話題です。

【画像】まだ何も「シタことがない」2人の結婚生活はどうなる…?

 主人公の純岡清(すみおか・きよし)は、不動産店に勤めるサラリーマン。女性との交際はもちろん、キスすらしたことがありません。そんな彼は、いつも行くお弁当屋さんのアルバイト・飛鳥馬澄(あすま・すみ)に一目ぼれ。思わず「僕と結婚して下さい」とプロポーズしますが、澄は実は高校生で……?

 清と澄はこの後、澄の卒業を待ってすぐ結婚します。ですが、結婚式の誓いのキスもなかなかできず、神父さんに「ムリシナクテイイデース」と言われてしまうほど。一体ふたりはいつ夫婦の「いとなみ」ができるのでしょうか。

「いとなみ」がテーマではありますが、清と澄は純情そのもので、そのやりとりに終始ほっこりさせられます。特にふたりが初めて会った日の描写はかなり詳しく、目が合って頬を染める澄や思わず目を見張ってしまう清に、ニヤニヤしつつ自分の初恋を思い出します。

 清にもらった名刺の名前の下に自分の名前を書いて、新しい名字を想像する澄。結婚式当日の朝、澄に「いつか君に『愛してる』」と言ってもらえるように君を一生守ります」と伝える清。

 しかし、人に好かれるふたりゆえ、周りが放っておいてはくれません。清の先輩・黒坂(くろさか)は清の幸せを特に願っていて、告白を後押しした恋のキューピッドです。結婚後も進展の遅そうな清を気にかけ、「お祝い」とお年玉袋に入ったコンドームを清に渡してきます。感動した清は中身を確認せず、「僕があなたを支えますので!」とそのお年玉袋を澄に渡してしまいます。中身を見てしまった澄の運命は……?

 お互いをまっすぐに愛しているからこそ、なかなか先に進めないふたり。もどかしさと作画の美しさが相まって、つい引き込まれるように読んでしまいます。テーマが「いとなみ」でありながらも、純粋な愛が感じられる作品です。 新美友那