佐藤浩市、原発事故を描いた主演映画への思い語る「10年後、20年後でも忘れないために」

引用元:スポーツ報知
佐藤浩市、原発事故を描いた主演映画への思い語る「10年後、20年後でも忘れないために」

 俳優の佐藤浩市(59)が4日、都内で主演映画「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」(若松節朗監督、3月6日公開)の報知映画賞・特選試写会に吉岡秀隆(49)らと出席し、撮影エピソードを語った。

 東日本大震災で被害を受けた福島第1原発で命がけの対応をした作業員たちの物語。リアルな津波や地震の映像も登場するが、佐藤は「災害の爪痕を負の遺産のままで終わらせるのか、それとも少しだけ人間の努力で遺産に変えて、未来へバトンを渡せるのか、10年後、20年後でも忘れないためにこういう映像があります。どうかご理解ください」と客席に呼びかけた。

 佐藤が演じたのは、事故対応の最前線で奮闘した当直長の伊崎利夫役。撮影はリアリティーにこだわり、防護服にマスクの完全防備で汗だくになりながら過酷を極めた。佐藤は「とにかくつらかった。日々、みんなの顔がやつれていった」と語り、作業員役の吉岡は「スタジオから出てマスクを外したら、みんな顔が老けていた。浩市さんは『64の前後編より疲れた』と言ってました」と明かした。

 さらに吉岡は「世界の渡辺謙さん、歩く日本映画のような佐藤浩市さんの2人がいたから、この映画できた。現場を引っ張ってくれる2人がいることが救いだった」と名優2人の存在感をたたえた。若松監督が「浩市さんは俳優界のレジェンドです」と持ち上げると、佐藤は「猫背なだけです」と照れ笑いを浮かべた。 報知新聞社