「スパロボ」で知った『聖戦士ダンバイン』の無情な結末 富野由悠季監督「らしさ」

引用元:マグミクス
「スパロボ」で知った『聖戦士ダンバイン』の無情な結末 富野由悠季監督「らしさ」

 1983年から1984年にかけて放送されたロボットアニメ『聖戦士ダンバイン』(以下、ダンバイン)は、ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズへの参戦で大きな知名度を得ました。本放送時はほとんど見ることはできなかった『ダンバイン』に『スーパーロボット大戦EX』で出会い、オーラバトラーの強さの虜となったライターの早川清一朗さんが、同作の魅力について語ります。

【画像】大人になって感じる『ダンバイン』の面白さ

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「うわ、ビルバイン回避しまくり!」
「ビーム完全無効ってなんだそれ!」
「オーラ斬り強すぎだろ……」

『スーパーロボット大戦EX』でダンバインをはじめとする各種のオーラバトラーを使った時、その防御力と攻撃力に驚かされたのを覚えています。回避力、防御力共に高い上にビームを完全にはじくオーラバリアがあり、気力が上がると分身して50%の確率で攻撃を無効化し、オーラ斬りやハイパーオーラ斬りで敵ユニットをなぎ倒す、とても頼りになる存在でした。『第4次スーパーロボット大戦』でも引き続き登場し、オーラバリアこそ弱体化していたものの、やはり圧倒的な性能を見せて活躍してくれました。

 さて、実は筆者は本放送時に『ダンバイン』をほとんど見たことがありません。土曜の夕方から放送されていたのは知っていたのですが、この頃スイミングスクールに通っていたため、見ることはできなかったのです。当時は家庭用ビデオデッキの普及率も低く、インターネットは影も形もないため配信もありません。アニメは放送時間にTVの前に陣取り、家族とのチャンネル争いに勝利して初めて見ることができるものだったのです。

『スーパーロボット大戦』シリーズをきっかけに『ダンバイン』に興味を持った筆者はなんとかアニメを観てみたいと思い、知り合いを当たってTV録画している人を探しましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。まだDVDやBlu-rayのボックスが一般的に発売されるような時期ではなかったので、古いアニメを観るには再放送に頼るか、TV放送を録画している人を探す、もしくは高価なレーザーディスクを手に入れる必要があったのです。

 そんな状況が変化したのは1995年の9月でした。この年の3月に『第四次スーパーロボット大戦』が発売されたのでその影響でしょうが、VHSビデオで『ダンバイン』が発売されたのです。