ガンプラの心象風景をジオラマ化する“匠の技術”「時間の流れをプラモで表現したい」

引用元:オリコン
ガンプラの心象風景をジオラマ化する“匠の技術”「時間の流れをプラモで表現したい」

 昨年、40周年を迎えた『機動戦士ガンダム』は世界的な人気を誇る強力IPであり、その礎となったのは1980年代前半のガンプラブームだ。ORICON NEWSではこれまで自由な発想でガンプラの技術革新に貢献してきたモデラーたちを取り上げてきたが、「ガンプラ40周年記念」として彼らを改めてフィーチャーする。連載第6回目となる今回は、ガンダムワールドの心象風景を巧みに具現化する人気モデラー・あに氏&EXAM氏をピックアップする。

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■トップモデラ―渾身の技術「日常に紛れ込む違和感を表現したい」(あに)

 ガンプラ歴は約30年になるという、あに氏。「小学生の頃、ファーストガンダムが劇場公開されてそれを見て衝撃を受けたのと、ガンプラブームが重なったのがガンプラにハマった理由」なのだそう。

 11年に開催された「第14回全国オラザク選手権」では、作品「Cenote」で大賞を受賞。プラモという枠を超えた情景描写は、ジオラマのひとつの到達点と言えるかもしれない。本作についてあに氏は、「テーマは“美しく透明な湖と時間の流れ”で、こだわったのは湖の造形」と振り返った。

「この作品では、水を表現するために透明シリコンを使用しました。いつもなら水の深みを出すためにシリコンを青く着色するのですが、今回は透明感を出したかったのであえてシリコンには着色せず、海底やコアファイターに直接クリアブルーを着色することで水の透明感を損なうことなく深みを出しています」

 これ1枚でストーリーが浮かぶ、“匠の情景描写”についてのこだわりを聞くと、「自分が情景模型で表現したいと思ってることは、“日常に突然割り込んできた非日常”」だと強調した。そして「見る人に違和感を与えるには、情景をどこまでリアルに作り込むことが出来るか?それにかかってくると思います」とコメント。続けて、「好きなことをするのは人間苦にはならないので続けることが出来ます。とにかく楽しんで続けること。これが技の習熟に繋がると思います」と笑顔で語ってくれた。