50年のキャリアに終止符。ジャン=ポール・ゴルチエのアイコニックな歴代デザインを振り返り

引用元:ELLE ONLINE
50年のキャリアに終止符。ジャン=ポール・ゴルチエのアイコニックな歴代デザインを振り返り

ジャン=ポール・ゴルチエが、2020年1月22日にパリで行われた2020年春夏オートクチュールコレクションを最後に引退を表明した。「私の50年のキャリアを祝うこのショーが最後となります。けれどご安心を。オートクチュールラインは新たなコンセプトで生まれ変わります」と自身の公式ツイッターで述べた。

現在67歳のゴルチエは、半世紀もの間、かの有名なコーンブラや“タトゥースキン”、ブレトンストライプや当時妊娠中だったモデルのジョーダン・ダンが着用した“ベイビーバンプ”コルセットなど、アイコニックな作品を世に生み出してきた。フェミニズムやジェンダーフリーといった現在のムードを30年以上前から高らかに謳い、芸術性をもって発表し続けたファッション界の巨匠の引退は、ひとつの時代の終わりを感じさせる。

「彼は真の革新者であり、ファッション界は彼の仕事のおかげでよりよくなったと思います」と話すのは、「シュリンプトン・クチュール」というヴィンテージショップを経営するゴルチエファンのシェリー・ボルチ。「なかなか周囲から理解されなかったデビューの日から、50年後の今日まで彼は妥協をしたことがありません。先駆者である彼の引退は多くの人に惜しまれるでしょう」

カトリーヌ・ドヌーヴやマドンナ、キム・カーダシアンといった豪華セレブからも愛されるゴルチエが魅せた、アイコニックな作品をキーワードとともにプレイバック! 50年のキャリアに終止符。ジャン=ポール・ゴルチエのアイコニックな歴代デザインを振り返り Photos: Getty Images

【コーンブラ】

コーンブラは、1990年にマドンナが着用して一世を風靡する7年前の1983年秋冬コレクションに発表された。

当時から物議を醸し、性的探求心を感じられ、そして面白おかしい、そんなゴルチエの精神が詰まったコーンブラは、彼の象徴的デザインでもある。

「ジャンポール・ゴルチエ」1984年秋冬コレクションにて。 50年のキャリアに終止符。ジャン=ポール・ゴルチエのアイコニックな歴代デザインを振り返り Photos: Getty Images

【ジェンダーレスの追求】

ゴルチエはファッションを通して、ジェンダーの在り方を表現した。1993年春夏コレクションでは、胸まで隠れるハイウエストのパンツをモデルに着用させた。

「ジャンポール・ゴルチエ」1993春夏コレクションにて。