人気劇団「おぼんろ」、大手芸能事務所・ホリプロとタッグ 舞台「メル・リルルの花火」

引用元:スポーツ報知
人気劇団「おぼんろ」、大手芸能事務所・ホリプロとタッグ 舞台「メル・リルルの花火」

 人気劇団「おぼんろ」と大手芸能事務所・ホリプロインターナショナルが共同制作した舞台「メル・リルルの花火」(4月17日~26日まで、新宿FACE)の公演開始がこのほど、発表された。このタッグを祝し、「おぼんろ」の団長で俳優の末原拓馬(34)とホリプロインターナショナル取締役・金成雄文氏がスポーツ報知のインタビューに応じ、意気込みを語った。

 現在は4000人近くの動員力を持つ劇団に成長した「おぼんろ」は、客席と舞台を分けない、唯一無二の劇団だ。360度を取り囲むようにして立体的に、縦横無尽に動き回る独自の上演スタイルを持つ。演出・脚本は全て末原が陣頭指揮を取っており、オリジナルにひたすらこだわっている。最初に末原が織りなす10分にも及ぶ語りに度肝を抜かれるが、そこからは観客を巻き込んだ唯一無二のエンターテインメント空間が広がり、ファンの心をわしづかみに続けている。

 金成氏はそんな「おぼんろ」の魅力にとりつかれた1人。「最初、末原さんの長い1人しゃべりにビックリした。正直『やばい所にきてしまった』と思ったけど、そこからすんなりと入れて不思議だった」と笑う。「すごく面白かった。どうしてもこの舞台にうちの役者を出したいと思ったし、この面白さをそのまま広めたいとも思った」と振り返る。

 末原率いる「おぼんろ」側からすれば、大手芸能事務所からタッグを組むと提案されることは青天の霹靂(へきれき)だったという。「ホリプロ関係の人から話があると聞いて、正直『何で?』とビックリしました。大人の人には相手にされなくても仕方ないと思っていた。先の予定も立たず、ただただ作品をやるだけの中、ホリプロさんに声をかけてもらってうれしかったです」

 ただ、末原には不安もあった。「おぼんろ」にはコアなファンによって支えられている所が大きく、目の肥えた演劇好きたちが離れる心配もあった。「自分がやってきた事が変わるのは怖い。でも、現状のままか、それとも話に乗るか―。二者択一であれば、ドキドキする方にしようと思って、今回のお話を受けました」

 その不安も金成氏もくみ取っているようで、「演出や脚本は末原さんに任せます。今まで通り、熱く熱量のあるワクワクする作品を作って欲しい。僕たちは作品の面白さが1人でも多くの人に広がるようにお手伝いするだけです」

 「おぼんろ」の起こりは路上演劇。その後、徐々に劇場を大きくしてきた。今後の目標に関して、末原は「ホリプロ制作の舞台とかにジェラシーはあった。でも、今回はそこがうちに付いてくれている。まずは日本でTBS赤坂ACTシアターをいっぱいにしたい。そしていずれは世界に行きたい」。演劇界の風雲児が、世界を見据えて動き出す。 報知新聞社