やむなく買った『SG-1000 II』 初代『ファミコン』ブーム中、独自の存在感

引用元:マグミクス
やむなく買った『SG-1000 II』 初代『ファミコン』ブーム中、独自の存在感

「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)が家庭用ゲーム機市場で大きなシェアを占めていた1980年代半ば、セガ・エンタープライゼス(現:セガゲームス)も数機種の家庭用ゲーム機を発売し、独特の存在感を放っていました。まだ家庭用ゲーム機の情報を手に入れる手段がほとんどない時代、「ファミコン」の代わりに「SG-1000 II」を買ってもらったライターの早川清一朗さんが、当時の思い出を語ります。

【画像】ファミコンに始まる任天堂の快進撃とともにあった、セガのゲーム機

* * *

「SG-1000 II」を買った時、自分と母親は間違いなく疲れていました。ファミコンが、どこに行っても手に入らなかったのです。

 1983年に任天堂が世に送り出した「ファミコン」は、ほどなく人気が爆発し、どこに行っても手に入らないという状況となっていました。どうしても「ファミコン」が欲しくて仕方がなかった当時の筆者は母親にねだりまくり、なんとか買ってもらう約束を取り付けましたが、肝心の物がないのではどうしようもありません。

 どのくらい探し回ったのかはもう忘れてしまいましたが、あるおもちゃ店に行ったとき、店員さんに「ファミコンと似たようなのがありますよ」と勧められたのが「SG-1000 II」でした。当時はインターネットどころかゲームの情報誌すらほとんど存在しておらず、小学生が家庭用ゲーム機やソフトの内容を事前に調べる方法はほとんどありません。ファミコンを探すことに疲れていた筆者は「それならこれでいい」と、「SG-1000II」を買ってもらい帰宅しました。その後、約40年にわたりさまざまなゲーム機を購入し続けた筆者にとって、記念すべき第一号のマシンになるとは、あのときは想像もしませんでした。

 本体と一緒に買ってもらったカセットは『チャンピオンサッカー』だったことを覚えています。どうしてこのカセットを選んだのかは覚えていませんが、何しろ並んでいるカセットのどれもこれも、どんなゲームなのかさっぱり分からないのです。たぶんサッカーという知っている単語が入っているからこれにしたのだと思います。