楽しく乗って高く売る“旧車投資”の可能性 狙い目は大衆車や廉価グレード

引用元:オリコン
楽しく乗って高く売る“旧車投資”の可能性 狙い目は大衆車や廉価グレード

 旧車人気が広がりを見せている。エアコン、パワーステアリングなど快適装備を搭載した80年代、90年代の車も発売から25年以上が経過し、『ネオクラシックカー』として旧車市場に登場したこともあり、コアな車好きだけでなく、一般の人々も以前に比べて手を出しやすくなった。その結果、一部人気車種だけでなく不人気車も含めて、全体的に相場が上がっている。では、この現象を逆手に捉え、旧車を投資の対象と捉えてみてはどうだろうか? 旧車ライフを送りながら、購入費以上の金額で売却する。「旧車」をそんな「投資」の商材として考えられないだろうか? 今回、日本初の“腕時計投資家”として活動する一方、車にもこだわりを持っている投資家の斉藤由貴生氏にその可能性を聞いた。

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投資でお金を儲けようと思ったら旧車は不向き

 90万円で購入した腕時計が700万円まで値上がりするなど投資家として確かな目を持つ斉藤氏だが、投資家である前に、「時計が好き」であることが大前提にあるという。
「投資といっても自分が気に入らないものは買わないし、同じモデルを何本もストックするようなことはしていません。あくまで自分が欲しいと思ったものを買い、それを「売り時」に手放して、次の物を欲しいものリストから購入するという感じです」

 そんな斉藤氏は、腕時計同様、大の車好き。車でも同様の理論を適用し、車を投資の対象としていけるんじゃないかと考えたのだが、なかなかうまくいかなかった。
「免許取り立ての頃に考えていましたが、あまりうまくいかなかったですね。当たり前ですよね。一般的な車って年々価値は下がり、新車価格を超える車は少なく、購入価格より高く売るという難易度は時計よりもはるかに高い。加えて、腕時計と違って、購入後もお金がかかる。
 真面目に『投資』として検討してみましょう。車は購入時に本体価格だけでなく、税金がかかります。加えて都内の場合、駐車場代が月2.5万円と仮定して、年30万円。さらに毎年税金があり、車検や任意保険も考えると安く見積もっても年50万円くらいかかります。それが持っている年数だけオンされていくわけです。車体価格にそれだけの金額を足して、売れるかどうかと冷静に考えれば『難しい』と言わざるを得ないですよね」

 旧車として価値が車の価値が上がったとしても、その価格が維持費を超えて利ザヤを出すという例はごくまれなケースだという。
「旧車として価値が上がったとしても、新車時の価格を大幅に超えるケースは限られた車種。それも発売から何十年と経過したケースが多い。ガレージが余っている方だったら、抹消登録して保管しておけばいいでしょうが、『使って→楽しむ』という前提だと、買った値段より高く売却するのは難しいでしょう。
 また、今ものすごい高額で取引されている車、(トヨタ)2000GTや、ハコスカ、ケンメリ(共に日産スカイラインの愛称)などを今から手に入れようとしても、元値が1000万円とか2000万円という世界なので、今後高くなるとしても購入するハードルは一般人には高いといえます」