「60分2本立て・登場人物・ドラマの軸」かなりの部分が“サザエさん的” 「俺の話は長い」

引用元:夕刊フジ

 【TV視てますか?】

 フジテレビがアニメ『サザエさん』放送50周年記念として11月24日に放送した実写版のスペシャルドラマ『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』は意外に軽くない話が展開した。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」を見るような趣があったが、実写版の肝であるキャスティングには三重丸を付けたい。

 サザエ(天海祐希)、マスオ(西島秀俊)、波平(伊武雅刀)、フネ(市毛良枝)、カツオ(濱田岳)、ワカメ(松岡茉優)、タラオ(成田凌)、さらには伊佐坂先生に浅野和之、ノリスケとタイコに八嶋智人と堀内敬子、穴子君に小手伸也…といずれもイメージ通りでうれしくなった。

 なかでも三河屋酒店の御用聞きのサブちゃんにふんした勝俣州和はアニメ世界から抜け出してきたように“本物そっくり”。フグ田家のタラちゃんにヒトデという妹がいるのと、カツオの同級生の花沢さんが予想外にかわいくなっていたのにはちょっと驚いたが、それもまたご愛嬌(あいきょう)だ。

 ところで今季の連ドラで「サザエさん方式」と呼ばれているのが日本テレビの土曜ドラマ『俺の話は長い』。アニメ『サザエさん』は30分番組で独立した10分の話を3本ずつ放送するが、『俺の話-』は1話(60分)2本立て(30分ずつ)。それだけで「サザエさん方式」というのは無理がある気もするが、登場人物の構成やドラマの軸(脚本・金子茂樹)は、かなりの部分が「サザエさん的」。しかも「20年後の磯野家の人々」を思わせる作りに見える。

 主人公は岸辺家の長男(20年後のカツオに匹敵)でニートの生田斗真。亡き夫(波平に匹敵)の喫茶店を一人で切り盛りする母の原田美枝子(フネに匹敵)の世話になっている。その実家に姉夫婦の小池栄子、安田顕と中3の娘の清原果耶(サザエ、マスオとヒトデ?に匹敵)の一家がやってきて同居を始めるが…。毎回の生田と小池の「口論」はW演技賞もの。圧巻のホームコメディーだ。(新橋のネクタイ巻き)