映画「Fukushima 50

　平成２３年３月１１日に発生した東日本大震災による津波で、制御不能となった福島第１原子力発電所内に残った約５０人の作業員らの壮絶な“闘い”を描いた映画「Fukushima 50（フクシマフィフティ）」（若松節朗監督）のワールドプレミアが２６日、東京国際フォーラム（東京都千代田区）で行われ、舞台挨拶のため主演の佐藤浩市さんや渡辺謙さんらが登壇した。

　若松監督は「この映画には、絶望と人間の愚かさをいっぱい詰め込んだ。そういうところを感じ取ってもらえるとうれしい」と話した。福島第１原発１、２号機当直長、伊崎利夫を演じた佐藤さんは「記録として、記憶としてこの映画は残るであろうと思っている」と語った。

　吉田昌郎所長を演じた渡辺さんは「（被災地で行われた試写会後に現地の人から）『この映画を見て真実がわかった。この映画を作ってくれてありがとう』という言葉をいただいたときは、誇りとこの映画を届ける自信をもらった気がする」と感激したエピソードを披露した。

　原作はジャーナリスト、門田隆将（かどた・りゅうしょう）さんのノンフィクション「死の淵を見た男　吉田昌郎と福島第一原発」（角川文庫刊）。

　３月６日から、東京・ＴＯＨＯシネマズ日比谷や大阪ステーションシティシネマなどで全国公開。世界約７０の国・地域での公開も決まったという。