QUEENが持つ「世界平和」に繋がる力は…戦場カメラマン・渡部陽一が語る

引用元:J-WAVE NEWS
QUEENが持つ「世界平和」に繋がる力は…戦場カメラマン・渡部陽一が語る

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、様々な旬のトピックを週替わりで掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。

1月20日(月)~23日(木)は映画『ボヘミアン・ラプソディ』が世界中で大ヒットを記録したQUEENを特集。QUEENを敬愛する人が魅力を語る。1月23日(木)の放送では、戦場カメラマンの渡部陽一が前日に引き続いて登場。トークを繰り広げた。

渡部が目標とすフレディ・マーキュリーのヒゲ

前日はQUEENの音楽の魅力について熱く語っていた渡辺だが、2日目の冒頭で取り上げたのはフレディ・マーキュリーの「ヒゲ」だった。

渡部:QUEENの魅力、山ほどあります。音楽は全てがグレイテスト、まさにQUEENの音楽は全てがキング、そう断言します。でも2日目は、あえてフレディさんのヒゲについて語ります。僕もヒゲを生やしているんです。それは戦場カメラマンとして取材で訪れる場所が、宗教柄ヒゲを伸ばすことによって、成人男性としてその社会に入っていくことができるから。僕にとってはフレディさんのピラミッドが横に長くなったヒゲが、憧れなんですね。フレディさんだからこそ似合う、戦場カメラマン渡部陽一にとって、あのスタイルになれる年齢がいつなのかをいつも模索している。47歳の今日、あのヒゲのステージには、まだ到達できていません。

「線引き」を取り払い、世界をつなげたQUEENの音楽

渡部が感じる、フレディ・マーキュリーがQUEENの音楽を通して伝えようとした想いとは。

渡部:フレディさんのルーツは、タンザニアにあるザンジバル島。そこからイギリスに移っていきました。アフリカの地ですごしてきたなかで、内紛や衝突に巻き込まれながら、無意識のうちに自分の家族がどんな立ち位置にいて、どんな悲しみに立たされてきたのか……幼少期に、言葉で上手く表すことができなくても、体や肌、感覚でとらえていたと思います。フレディさんはイギリスに行ったときにも、自分と同じことを感じて、苦しんだり、思ったりしている方々としっかりつながった。国境や民族、宗教や資源など、今の戦争の要因となっている「線引き」というものを唯一、取り払えるものが音楽であるという想いが、フレディさん、そしてQUEENの全体の音楽そのもののベースにはある気がします。さまざまな要素を取り入れて、まるで演劇の舞台を作り上げるように組み立てていく。そこには差別や線引き、「これが違う」というものは一切ない。フレディさんのバックグラウンドにあるたくさんのつながりを、もっともっと(世界に)染み込ませていけば、たくさんある知らなかったことを「1つだけ知ってみよう」と思う人が増えるんじゃないでしょうか。相手のことを1つだけでもいいから知ってみることで、気付けることがある。そんなたくさんのきっかけを音楽を通じて世界中の方々に届けてくれた、そんな存在だったと思います。