お笑い芸人が連ドラに大挙出演 未来の名優誕生?【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

お笑い芸人が連ドラに大挙出演 未来の名優誕生?【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

桧山珠美【あれもこれも言わせて】

 1月スタートの新ドラマで目につくのは、お笑い芸人たちだ。昨年の騒動で闇営業ができなくなり、ドラマに流れたというわけでもないだろうが、やたらと多い。1ドラマ1芸人という感じだ。

 芸人から俳優転向というと、古くは伴淳三郎や三木のり平、寅さん「渥美清」ら名優がいる。コント・レオナルドの石倉三郎に、コント55号の坂上二郎、あの泉ピン子も歌謡漫談家からの転身だ。

 最近なら130R板尾創路、ドランクドラゴン塚地武雅、ネプチューン原田泰造ら、主演も脇役もやれる個性派俳優として重宝されている。

 闇営業で活動自粛中の宮迫博之も俳優としてドラマに映画に大活躍。同じく税金無申告で活動休止中のチュートリアル徳井義実も大河ドラマ「いだてん」で女子バレーの大松博文監督を演じて、予想外によかった。果たして、今期ドラマに出ている芸人はどうだろう。

 フジ月9「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」に出演しているのは霜降り明星の粗品。M―1、R―1、2冠に輝く「お笑い第7世代」の牽引車でもある粗品の演技やいかに? と見てみたが、初回は最後の最後に、わずか数秒ほど。第2話では少し出番も増え、エリートのイヤミな感じが目つきの悪さとマッチしていい感じ。粗品の相方・せいやも19日スタートのTBS系「テセウスの船」に出演する。コンビの演技対決も見ものだ。

■ミキの兄・昴生、アキラ100%、椿鬼奴も

 佐藤健と上白石萌音のラブコメ「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)に出演しているのが兄弟漫才コンビ・ミキの兄、昴生。ヒロインの先輩看護師役で出ていたが、こちらは漫才でのツッコミ同様、ポンポンと威勢のいいセリフを関西弁でしゃべり、結構、目立っていた。

 天海祐希主演「トップナイフ~天才脳外科医の条件」(日本テレビ系)に出てきたのはアキラ100%。救命医・織田直人役で眼鏡をかけていて一見わからない。全裸のお盆芸で一発屋芸人の仲間入りをしたが、昨年は「G線上のあなたと私」に出演し、映画「こはく」では準主役も演じている。洋服を着たアキラ100%は水を得た魚のよう。

 日本テレビ系「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」に出演するのは椿鬼奴。清野菜名演じる川田レンがバイトする囲碁喫茶のママを演じている。もともと桃井かおりのモノマネを得意としていたから演技力はあり。

「10の秘密」にリットン調査団の藤原光博、「アライブ がん専門医のカルテ」(ともにフジ系)に藤井隆、「来世ではちゃんとします」(テレビ東京系)にはラバーガール飛永翼、大河ドラマ「麒麟がくる」にはナイナイ岡村隆史も。

 この中から未来の名優が出るかどうか。

(桧山珠美/コラムニスト)