森七菜、1人2役を好演「広瀬すずさんの光に埋もれないように必死」…映画「ラストレター」公開中

引用元:スポーツ報知
森七菜、1人2役を好演「広瀬すずさんの光に埋もれないように必死」…映画「ラストレター」公開中

 女優の森七菜(なな、18)が、松たか子(42)主演の映画「ラストレター」(17日公開、岩井俊二監督)で1人2役を好演している。同じく1人2役の女優・広瀬すず(21)と共演し、「広瀬さんの光に埋もれないように必死でした」と刺激を受けた。今作の主題歌を任され、歌手デビューも果たした新星が、今後の目標を語った。(増田 寛)

 手紙の行き違いをきっかけに始まった2つの世代の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描く今作。森は裕里(松)の娘・颯香と、裕里の学生時代(回想)で出演した。「見てる人が混乱しないように差を演じ分けることを意識しました」と役者人生初となる1人2役を好演する。

 作品の性質上、特に松のしぐさを観察していたと明かし、「芝居をしている松さんを見ても、役に入り込んでいるので、本来の姿は分からなかった。だから、何本もバラエティー番組やドラマに出ているところを見て研究しました」

 森と年が近く、「お芝居がとてもステキで、なんと言っても私のアイドル」という広瀬との共演時間が最も長く刺激を受けた。だが、差も感じた。

 「共演して何か盗んで帰ろうとしましたが、私がマネできること、盗めるようなものは何もなくて。広瀬さんが元々持って生まれたものだったりとか、私には到底見せてもらえない努力だったりをヒシヒシと感じて。正直、落ち込みました」

 それでもただでは引き下がらず、「輝きというか、広瀬さんの太陽のような光に埋もれないように、陰にならないようにと必死に食らいつきました」と胸を張る。

 物語の重要な要素になるのはラブレター。実は森自身、小学生の頃に恋文をしたためたことがある。「大阪から大分へ転校する時に、好きな男の子の机の中に手紙を入れました。恥ずかしくて『好き』を『〇〇』としたのを覚えてます」

 今でも手紙は書くようで「クランクアップした時に、手紙を書く時があります。私の世代でも、やっぱり大切な思いは手紙で伝えたいと思ってます。この作品で手紙の大切さが伝わればいいなぁ」

 今作では主題歌「カエルノウタ」も担当。「声が小さいと注意されてしまって。まだまだひよっこです」と謙遜するが、歌手デビューも果たした。

 「本当の歌手の方にはかなわないので、女優として経験してきたお芝居の延長線上の気持ちで歌いました。(作詞した)岩井監督から一言一句意味を聞いて、気持ちを込めることに集中して歌いました」

 もともとは歌うことがあまり好きではなかったが、「今回、歌に挑戦させていただいて、歌が好きになりました。もし“歌手・森七菜”としての需要があればやらせていただきたいです。次は19歳で歌う小さな恋の歌とか、バラードを歌いたいですね」

 今年高校を卒業し、女優としてさらなる高みを目指すべく上京する。高校生活を「制服で友達と出掛けて、お仕事として高校生役をもっとやっておきたい」と振り返りつつ、これからの未来に胸を高鳴らせる。

 「女優の糧になるように学びたい。特に中国語に興味がある。もし中国語が話せたらどれだけの方とコミュニケーションが取れるのかと思うとワクワクして。ぺらぺらになったあかつきには、世界進出もありかも」と、若さあふれる目標を掲げ、さらなる飛躍を誓った。

 ◆岩井俊二監督

 「森七菜を初めて見たのはビデオ選考でした。まだ高校生なのに、女優に必要な要素を既にいくつも持ってる人だなあと直感し、颯香という役をその場で即決しました。風貌もさることながら声にも動きにも天性の人に愛される何かがある。あとはゆっくり時間をかけてこの道を極めていければきっと素晴らしい女優さんに成長するのではないかと思います」

 ◆「ラストレター」

 宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描く。姉・未咲(広瀬すず)の葬儀に参列した裕里(松たか子)は、未咲の死を知らせるため同窓会へ行くが、学校の人気者だった姉と勘違いされてしまう。そこで初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会した彼女は、未咲のふりをしたまま文通を始め、学生時代の淡い初恋の思い出をたどっていく。

 ◆森 七菜(もり・なな)2001年8月31日、大阪府生まれ大分県育ち。18歳。ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」「3年A組―今から皆さんは、人質です―」などに出演。2019年に新海誠監督のアニメーション映画「天気の子」でヒロイン役の声優でブレイク。身長154センチ。 報知新聞社