「麒麟がくる」ヒロイン・駒役の門脇麦、光秀のそばで物語をつなぐ“接着剤”

引用元:スポーツ報知
「麒麟がくる」ヒロイン・駒役の門脇麦、光秀のそばで物語をつなぐ“接着剤”

 NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(日曜・後8時)が19日スタートする。スポーツ報知では、初の4Kフル撮影で戦国時代を描く作品の魅力を出演者、スタッフの証言を基に全3回の連載で紹介する。第2回はヒロイン・駒を演じる門脇麦(27)。

 門脇が演じる駒は戦災で両親を失った孤児で、京の医師・望月東庵(堺正章)の助手を務めている。実在しないオリジナルの役柄だ。「オリジナルな役なので堺さんは『ちゃんとしないと、いなくなってしまうので、力を合わせて頑張ろう』と言っています」と明るく笑った。

 長谷川博己(42)演じる主人公・明智光秀のそばで、さまざまな人物と関わりを持ち、ストーリーの展開には欠かせない重要な役割を担う。制作統括の落合将氏は「(物語をつなぐ)接着剤的な役割」と語る。19日の初回放送では、京で光秀と出会い、請われて東庵とともに美濃に赴く。

 プロデューサーからは「駒は明るい子です」と告げられた。その言葉で覚悟が決まった。デビューから全力で走り続けてきた門脇は5年前、病気で入院した。「疲弊して、大好きだった仕事を楽しめなくて、いま思えば、耐えられる精神も肉体的な強さもなかった」。しかし、それが転機にもなった。「それまではストイックがすべてだと思って仕事をしてきたんですけれど、余力というか、一歩引いて楽しむことがすごく大事だと思った」

 感覚も変わった。「今は自分が楽しいか楽しくないかが大事です。一つ視点を変えたら楽しみを見つける方法はいくらでもあることを知りました」。駒も厳しい環境に置かれながらも、明るさを失わない。自身にもシンクロする。「自分が変わっていなかったら、この役が出来たか。声も掛けていただけなかったと思う」と縁と出会いに感謝している。

 物語は光秀パート、信長パート、駒パートと進んでいく。「相手役として物語のもう1本の柱を担わせていただけるのはうれしい」。恋人でも正室でもない、精神的に支え合う新たなヒロインだ。「傍観者というか光秀を最初から最後までずっと見守っている人。視聴者の方に近い目線ですね」

 クランクインして感じた気持ちがどんどん強くなっているのを感じる。「骨太の台本も素晴らしいですし、現場の熱量もすごい。絶対面白い作品を届けられると確信しています」(高柳 義人)

 ◆門脇 麦(かどわき・むぎ)1992年8月10日、東京都生まれ。27歳。11年、日本テレビ系ドラマ「美咲ナンバーワン!」の生徒役でドラマデビュー。14年に映画「愛の渦」などでキネマ旬報ベスト・テン新人女優賞などを受賞。18年、映画「止められるか、俺たちを」でブルーリボン賞主演女優賞に輝く。大河ドラマは「八重の桜」(13年)以来の出演。15年のNHK連続テレビ小説「まれ」に出演。身長160センチ。 報知新聞社