初紅白ミルクボーイは鋭いツッコミも舞台裏は低姿勢

引用元:日刊スポーツ
初紅白ミルクボーイは鋭いツッコミも舞台裏は低姿勢

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

紅白歌合戦は芸能記者総出の一大イベントだ。昨年末の紅白で私は楽屋口につながるレッドカーペットの敷かれた廊下で出演者のコメントをもらう担当だった。

出番前に待機するアーティストを観察し、出番が終わって帰ってきたところで話しかけてコメントをもらう。多くのアーティストを間近で見ることができ、非常に勉強になった。紅白に長年出場しているアーティストは、そこに新聞記者がいることを知っていて、立ち止まって即席囲み取材のような対応をしてくれる。初出場のアーティストには記者がいることを知らず、声をかけられて驚きの表情を浮かべる人もいる。

今回一番印象深かったのは昨年のM-1グランプリで優勝したミルクボーイの2人だ。三山ひろしのけん玉ギネス記録チャレンジに内海崇が参加するため、2人で出演していた。

レッドカーペットはもちろん出演者が通るための道で、その脇に我々記者の他に事務所関係者やレコード会社などの人が待機している。ミルクボーイは何度かレッドカーペットを行き来していたが、そのたびに腰を大きく曲げて頭を下げながら「失礼します」と通っていた。「出演者なんだからもっと普通に歩けばいいのに」と思いながら腰の低い彼らの姿に勝手に好感を抱いていた。

見た目から“良い人感”が漂う2人だが、本当に腰が低くて誠実なんだなと思いながら出番終わりのミルクボーイを囲んで取材することができた。駒場孝は「おかんに感謝です。おかんにもラインが殺到しているみたいです。(紅白に出場できて)親孝行になりました」。内海も「本当に夢のようです。まだ夢なんじゃないかっておもいます。新幹線がすぐグリーン車になりました。吉本最高です」などと話してくれた。

M-1を優勝してから1週間ほどだったが、想像以上の反響に自分たちの理解が追いついていないと語っていた。言葉遣いも含めてその対応は丁寧すぎるほどだった。しかしある記者が「紅白に出られると思っていましたか?」と質問すると、間髪あけずに内海が「思うか!」とツッコミ。職業病なのか、これまでの丁寧な対応からは信じられないような鋭さ、速度だった。さすがはM-1王者。

でも考えてみればM-1まで4回しかテレビ出演がなかった人たち。そんな質問されたらとっさにつっこむか。

歌手として出場したビートたけしにはチコちゃんとともに番組に出演した岡村隆史に楽屋まで連れて行ってもらって対面したという。ネタを褒められ、「がんばってね」と応援されたことを2人とも小さい子どものように目を輝かせて明かした。

一昨年M-1を制し、お笑い第7世代ともいわれる霜降り明星は昨年一気にスターダムにのし上がった。

M-1優勝会見では、まじめに活動していなかった時期があったことも明かしていたミルクボーイが今年1年どのような活躍をするのか、楽しみだ。