カナダ、英ヘンリー王子夫妻移住なら警備に多額の税金負担も

カナダ、英ヘンリー王子夫妻移住なら警備に多額の税金負担も

[トロント 9日 ロイター] – 英国のヘンリー王子とメーガン妃が王族としての役割を離れ、北米で生活する意向を示したことを受け、安全保障分野の専門家からは夫妻がカナダに移住した場合、同国の多額の税金が警備に費やされる可能性があるとの見方が出ている。

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 夫妻は8日、英王室の「シニア」メンバーから退いて多くの時間を北米で過ごす意向を表明。エリザベス女王をはじめ王室関係者を驚かせた。 夫妻は北米のどこに住むつもりなのか明らかにしていないが、カナダが合理的な選択肢になるとみる向きが多い。カナダは昨年末に夫妻が6週間過ごした場所で、エリザベス女王を国家元首とする英連邦王国の1つだ。 専門家によると、夫妻の王族の地位のためにカナダ政府は警備を提供する法的義務を負う見込みという。 米大統領や英王族の警備を指揮したことのある王立カナダ騎馬警察(RCMP)の元警官ラリー・ブッシュ氏は「カナダ政府の警備を拒否することはできないと思う」と話した。 また、サンダース米上院議員や俳優のリンマニュエル・ミランダやアレック・ボールドウィンを顧客に持つ米警備会社のマイク・ジメット氏は、コストは容易に数百万ドルに膨らむ可能性があると指摘した。 RCMPの元警官で、トロントを拠点とする警備会社 GloProSec Preventative Services のジョー・バルツ社長は、どの程度の警備が必要になるかは脅威のレベルによって決まるとし、「何らかの問題を引き起こす愚か者は常にいる」と述べ、夫妻にとって銃規制が比較的緩い米国よりもカナダのほうが安全だとの見方を示した。画像:(2020年 ロイター/Phil Noble)