ゴールデン・グローブ激震。ミシェル・ウィリアムズ中絶の権利を訴える【全文公開】

引用元:ELLE ONLINE
ゴールデン・グローブ激震。ミシェル・ウィリアムズ中絶の権利を訴える【全文公開】

“ゴールデン・グローブ賞Bestスピーチ”は誰? と問われたらダントツでこの人。司会者リッキー・ジャーヴェイスに「あなたたちは何もわかっちゃいないんだから政治的発言なんてしないこと」とジャブを打たれても、怯むことなく大胆にプロチョイス(中絶の権利)を支持するスピーチを披露。2019年複数の州で成立した「中絶禁止法」に真っ向から挑んだミシェル・ウィリアムズは、年末に婚約・妊娠を発表したばかり。だからこそ説得力のある彼女の言葉は同胞の女性たちへの想いで溢れ、涙を誘った。ここに全文を公開。

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女性や少女の身体に起きることは時として、自身の選択によるものとは限らない

役者の立場になれば、その人の下した選択のひとつひとつが俳優を作ったとわかるでしょう。その人のすごす一瞬に次ぐ一瞬、シーンのひとつひとつ、そしてその日その日に下す選択です。ですが、同時にその俳優が人として下した選択にも気が付くはずです。

彼らが受けた教育、臨んだトレーニング、そこに費やした時間。私は自分が下した選択を知っていること、そして選択する自由が存在する社会に生きることができたことに感謝しています。なぜなら女性として少女として、私達の身体に起きることは時として、自身の選択によるものとは限らないからです。(ここで拍手が起こる)

私の人生はどれも女性の選択する権利を用いなければできないものでした。

私は自分の人生をただ自身に起きる出来事の連続ではなく、自身で作り上げ、最善を尽くして生きるよう努力してきました。振り返ってみると私の人生は自分の手書きの文字でいっぱいであることに気が付きます。ところどころ汚く、のたうち回るような筆跡も見えますし、注意深く正確に書かれた部分もあります。それらもすべて、自分自身の手で作り上げたものなのです。そしてどの筆跡も女性の選択する権利を用いなければできないものでした。 ゴールデン・グローブ激震。ミシェル・ウィリアムズ中絶の権利を訴える【全文公開】 GETTY IMAGES

私たちの命を天秤にかけ釣り合うと実感した時にその秤は子供たちに傾くことでしょう

私が子供をいつ誰と産むかを選択することで、私は支えられているのだと感じ、私たちの(※1)命・人生が天秤にかけられたときに釣り合うものであると実感した時に―――母親たちはよくわかっていますが―――その秤は子供たちに傾く(子供の方を尊重する ※2)に違いありません。
 
※1 この「our」はとくに男女間の命・人生の平等を示唆していると思われる。望まない妊娠で苦しむのは女性だけという不平等も暗に指摘。
※2 プロチョイスは女性本人が産むか産まないか決定できる権利を訴えている。対するプロライフ派は女性の権利と胎児の命を天秤にかけた時、胎児を選択する思想。女性の選択権なしに子の権利尊重は成し得ないと示唆。