何を話しても笑いになるスピードワゴン小沢の”名言”の数々

何を話しても笑いになるスピードワゴン小沢の

【今週グサッときた名言珍言】

「これがロックだったら、ロックに悪いよ。ロックってそんなんじゃないから」(小沢一敬/テレビ東京「あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~」12月21日放送)

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 スピードワゴンの小沢一敬(46)は「健康に興味がない」。人間ドックで「E判定」が4カ所出て精密検査に行くように言われても、行っていないという。そんな小沢にオードリー若林が「ロックですねえ」と評した際、小沢の「返し」が今週の言葉だ。

 ロック好きでも知られる小沢は中2の時、ザ・ブルーハーツに出会った。彼らのファーストアルバムの1曲目「未来は僕等の手の中」のイントロを聴いた瞬間、「うわー!」と言葉では表現できない気持ちになり、気が付いたら枕に顔をうずめて涙が止まらなくなってたという。

 特に“マーシー”こと真島昌利に引かれ、真島が聴いてきた音楽、読んだ本などを追いかけ「マーシーみたいな大人になりたい」(フジテレビ「ボクらの時代」16年3月20日)と思った。そんな真島と一緒に飲んだというエピソードを冒頭の番組でも話していた。

 最初は「地球で一番好きだから会いたくない」と思っていたものの、何度か誘われ会うことに。やはり1時間近く一言もしゃべれなかった。そんな中で一緒に行った、どぶろっくの江口が「ブルーハーツにいろんなことを教わったんですよ」と言った。

 それを聞いた小沢は「それは違うな。ブルーハーツは何も教えてないんだよ。おまえが勝手に気付いたんだよ」と言うのだ。そんなふうに小沢は彼独特の言い回しで、息を吐くように小沢流の名言を繰り出す。

「感性はいくらあっても荷物になりませんから」(日本テレビ「しゃべくり007」18年3月19日)、「ポジティブとか、ネガティブとか、みんな言うけど、ネーティブでいけばいい」(TBSラジオ「爆笑問題の日曜サンデー」15年8月2日)などと。

 時に周囲をポカンとさせる“小沢の時間”が流れることがあっても気にしない。「変人」と言われるゆえんだ。彼はお笑いの話をしていても、すぐに音楽や漫画、映画など自分の好きなモノの話へと飛んでしまう。けれど、「お笑いを仕事にしている以上、何を話してもお笑いの話になるし、そうならなきゃいけない。昨日カレー食べた話も、僕の中ではお笑いの話」(双葉社「EX大衆」19年12月号)という。

 カズレーザーは「小沢さんはずっと小沢流じゃないですか。やることなすこと全部。ブレな過ぎてたまに、お笑いなのか、ロッケンローラーなのか、分かんない時はあるんすけど」(テレビ朝日「ロンドンハーツ」16年9月2日)と評す。

「やり方って3つしかないの知ってる?」と小沢は言う。「正しいやり方」と「間違ったやり方」、そして「自分のやり方」だ。小沢は自分のやり方を貫いている。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)