前澤友作氏「預金残高」見せびらかし動画で問われる品格

「実業家というより、炎上タレント」と、芸能界からも声が上がる。

 ファッション通販サイトなどのZOZO創業者、前澤友作氏(44)がネット動画の公式YouTubeチャンネルを立ち上げ、その投稿が賛否両論だ。「1000億円を記帳してみた」とのタイトルで、メルセデスの高級車の後部座席から登場し、銀行ATMを訪れ、残高963億9112万8460円と記された通帳の金額をアップした番組への反響である。

 その後、前澤氏は自身のツイッターで「【ただ通帳記帳するだけの動画】公開から24時間で32万回以上も再生されてる!」と驚いてみせたが、SNS上には「下品」「謙虚さがない」といった冷ややかな声もあふれている。

 前澤氏はもちろんこうした声は百も承知のようで、その後のツイッターでは「批判してくる人って自分自身が一番お金に囚われムキになっていることに気づいていない」「人に下品という前に、人のお金の使い方にケチつけることが一番下品だということに気づいて欲しい。もっとお金から解放されたらいいのに」と投稿している。

■「野暮の骨頂」

 前澤氏はヤフーにZOZOを売却し、その中から巨額の借金を返済してもなお「カネ持ってんどー」と言いたかったのかもしれないが、「つまりは成り金の田舎っぺなんですよ」というのは作家で演芸評論家の吉川潮氏だ。こう続ける。

「亡くなった談志師匠は自身について“ガラは悪いが品は悪くない”と言っていましたが、前澤氏の言動は下品の極み。通帳の残高を見せびらかすなんて、昔の成り金が金歯とか金時計を見せびらかしたのと同じで野暮の骨頂です。田舎っぺは田舎に住んでるから田舎っぺじゃないんです。前澤氏はそれをわかったうえで“見せ物”にしてさらに稼ごうとしているのだからより悪質ともいえる。それに賛同するバカもいるからなおさらタチが悪い」

 貧乏人のひがみだとわかっちゃいるが、預金残高と人間性や品格は比例しないと信じたい。