存在感を無くしたスカーレット語り、中條アナのナレーション極意

引用元:Lmaga.jp
存在感を無くしたスカーレット語り、中條アナのナレーション極意

連続テレビ小説『スカーレット』(NHK)で劇中の語りを担当する中條誠子アナウンサー。「ナレーションの仕事が大好きなんです」と話す中條アナが、ナレーションの極意を語った。

「私の場合は、作品の一部に違和感なく溶け込むことで、あまり存在感は出さない語りが良いと思っています」と中條アナ。「とにかく視聴者のみなさんにはドラマの世界に没頭していただけるように努めたい」と自身のスタイルを説明する。

また、「基本的には、近すぎず、遠すぎず、喜美子をはじめとした登場人物たちを近くで見守っている『近所のおばちゃん』ぐらいの距離感で語るようにしています」とも。

「カメラワークにもアップや引きがあるように、語りもぐっと喜美子の頭のなかに入り込んで感情を込めて語るものから、反対にすーっと引いて客観的に語るものと、それぞれに立ち位置を変えて語っています」と、そのテクニックを明かした。

さらに、「語りが入るシーンは、これから盛り上がっていく手前なのか、テンションがぐっと上がっているところなのか、いったん落ち着くところなのか・・・などを考えて、物語の流れに、できるだけなじむように気をつけています」と、語りの入る位置にも注意しているという。

しかし、ここまで準備を整えるも、「収録では自分の考えをいったんすべて捨て、映像から感じられるものを大事に語るようにしています」とも。

「というのも、上がってきた映像を見て気づかされることがたくさんあるんですね。戸田恵梨香さんはじめ、役者さんたちの表情はびっくりするほど豊かで、それを見ることで私のナレーションも当然変わっていきます。読むタイミングや流れ、間のとり方、リズムなども、お芝居の流れを見ながら、役者のみなさんのすばらしい演技の邪魔にならないように、気持ちのよい入り方を探っていくようにしています」と探究心は尽きない。新年の放送は1月6日から。