物足りないキットは自分でブラッシュアップ、モデラーを駆り立てる“謎の使命感”とは?

引用元:オリコン
物足りないキットは自分でブラッシュアップ、モデラーを駆り立てる“謎の使命感”とは?

 世界に冠たる人気IPの『機動戦士ガンダム』は、宇宙世紀シリーズをはじめアナザーガンダムを含めて数多くの作品がある。ここでは、多様性に富む世界観を広げ、自身が“妄想”したシチュエーションを具現化する“ジオラマの達人”をフォーカス。今回、独自の世界観と濃密な人間関係が支持されたアニメ『鉄血のオルフェンズ』の名シーンをジオラマ再現したZAKI(@zaki_0079)氏に話を聞いた。

【写真】血、埃、砂、涙、『鉄血』の世界観を1枚絵で再現!

■『鉄血』は鉄サビ・土・ホコリがハマる作風なのでジオラマとの相性もピッタリ

――初めて制作した「プラモデル」は何ですか?

【ZAKI】HGUC 1/144 RX-78-2ガンダムです。こちらは小学1年生の夏休みに父に勧められて購入しました。ニッパーと鉄ヤスリ、ピンセットが入ったツールセットも購入し、意気込んでいたことを今でも覚えています。なんとか1人で組み上げ、いろんなポージングをさせて遊んだ記憶があります。

――本格的にプラモにのめり込んだターニングポイントは?

【ZAKI】アニメ『鉄血のオルフェンズ(以下、鉄血)』のキットを初めて組んだ瞬間がターニングポイントといっても過言ではありません。それ以前もプラモ自体はよく組んでいましたが、部分塗装、墨入れ、少しの汚しでフィニッシュすることが当たり前でした。そんな中、『鉄血』シリーズのプラモは私の常識を打ち砕きました。

――常識を打ち破った部分を詳しく教えてください。

【ZAKI】ストレートに組むだけでも物凄く完成度が高いのですが、『鉄血』プラモは絶妙に何か物足りない部分もあると個人的に感じており(苦笑)、自分の理想に近付ける為には延長作業や、あらゆる改修が必要でした。そういった「やらなきゃいけない」という“謎の使命感”が私を駆り立て、作業を繰り返していく内に改修の楽しさにも目覚めました。そして作品が完成する度に「次はこういった技も取り入れてみよう」といった向上心も生まれました。それは今でも変わりません。

――なるほど、挑戦する機会、気付き、完成品への思いを与えてくれたのが『鉄血』のキットだったわけですね。ちなみに、アニメ版『鉄血』も好きですか?

【ZAKI】大好きです。この作品は今までに無い独特な世界観だと思います。ビーム兵器が殆ど登場しないガンダムシリーズというのも新鮮でした。また、孤児たちがどん底から這い上がり自分たちの本当の居場所を探し求めるというストーリーは、台詞や表情の描写なども生々しく、感情移入せざるを得ません。興奮、感動、共感などあらゆる要素が詰まった傑作だと思います!

――ZAKIさんの作品はジオラマが多いですが、その理由を教えてください。

【ZAKI】まず、単純に『鉄血』が好きだという点が大きいです。なので、好きなシリーズのキットを使い、好きなシーンを再現できた時の達成感は凄まじいです。それと、『鉄血』は鉄サビ・土・ホコリがハマる作風なのでジオラマとの相性もピッタリです。