“ポップオペラ”の貴公子!ノリマサ、ファンに伝える「ありがとう」

“ポップオペラ”の貴公子!ノリマサ、ファンに伝える「ありがとう」

 2020年のブレーク候補として注目度上昇中の歌手、ノリマサ(藤澤ノリマサ、36)が東京都内でサンケイスポーツの新春インタビューに応じ、デビュー13年目に懸ける思いを激白した。今年は「ありがとうで繋ぐ47都道府県ツアー」を計画。日本全国でポップスとオペラを融合させた独自の“ポップオペラ”を披露する予定だ。

 ポップオペラの貴公子と呼ばれる男は、さわやかな表情でインタビューに応じた。エレガントな衣装に身を包み、デビュー13年目を迎える2020年に胸を躍らせた。

 今年のキーワードとして、「なにひとつ当たり前じゃない」と「ありがとう」の2つを掲げる。「『当たり前』の反対語は『ありがとう』なんです。12年も歌手を続けられたのは、僕ひとりの力じゃない。もっとありがとうという言葉を伝えたい。そのために『ありがとうで繋ぐ47都道府県ツアー』をやりたい」と初挑戦の全国ツアーへの決意を口にした。

 客演、フリーライブなど、今年はあらゆるステージに立つ予定だといい、「これからは、ひとりでも多くの、幅広い年齢層の皆さんに、僕の歌を聞いてもらえたら」とファン層の拡大も視野に入れる。

 ポップスとオペラを融合させる独自の“ポップオペラ”。音楽一家に生まれ育ち、唯一無二の歌唱スタイルを培った。ピアノを習い始めたのは4歳のとき。小学校時代はクラスメートになじめなかったこともあり、「ピアノが遊び相手だった」と回想する。ただ、決められた譜面通りに弾くことはどうしても苦手。「6歳のときに一度やめている。違う先生に習いにいった」と独創性は当時からあったようだ。

 父は声楽家。1000枚以上のクラシックLP盤レコードや三大テノールのCDなどをコレクションしており、書斎には専用のスピーカーまで備え付けていたという。母は札幌市内でカラオケ教室の講師を務めながら演歌歌手としても活動。自らも視聴者参加型のカラオケ番組に応募し、全国大会まで勝ち進んだ経験もある実力者だ。

 「父の書斎からは『オー・ソレ・ミオ』、母の部屋からは『津軽海峡冬景色』が聞こえる環境で育った。両親のジャンルをひとつにした」と音楽一家のサラブレッドは自身のルーツを明かす。

 歌手を目指す決意を固めたのは高校時代だった。夏休みを利用してカナダへ短期留学。当時、大ヒットした映画「タイタニック」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」を歌うカナダの歌手、セリーヌ・ディオンに魅了された。

 ディオンとイタリアのテノール歌手、アンドレア・ボチェッリがデュエットした「The Prayer(祈り)」を耳にして、「これをひとりでできたらいいなと思って、ポップオペラが生まれた。両親のジャンルをひとつにしただけだったら、演歌オペラだった」。独自のジャンルで音楽の道を歩むと決めた。

 08年に念願のメジャーデビューを果たす。その年は全国各地で100本以上のインストアイベントを行った。タフネスぶりはいまも健在。昨年は週に5回もステージに立ったこともある。47都道府県ツアーを完了させるには、ほぼ週1回のペースでステージに立つ必要があるため、「体が楽器」とのどのケアには細心の注意を払う。

 先輩歌手のすすめで使い始めた携帯用吸入器を欠かさずに持ち歩く。霧状に噴出された消炎剤を吸い込んでのどを守る。ニュージーランド産のマヌカハニーなど、のどにいいといわれるものはどんどん取り入れる。

 ランニングを日課にし、地方公演の宿泊先に到着して最初に探すのはジムだ。大好きな酒も、楽しい席でついしゃべりすぎるとのどの負担になるため、「しばらくお預けかなと思っている」とアスリート顔負けの体調管理を行う。

 ハードワークが売りのノリマサだが、「同じ歌は歌えない。表現が毎回違う」。ジャズの世界で一夜限りと表現されるように、同じ演奏は二度とないという。「だから、全部みないとダメっていうファンがいる」と笑う。

 「絆を、ご縁を大切に新しいノリマサを見せられたらいいと思う」。歌でありがとうを伝えるため、当たり前のようにステージに立ち続ける。