【コミケ97】モラルと物欲のせめぎ合い…来場者に聞く“転売問題”の実情

引用元:オリコン
【コミケ97】モラルと物欲のせめぎ合い…来場者に聞く“転売問題”の実情

 現在、東京ビッグサイトで開催中の『コミックマーケット97』。国内最大の同人誌即売会で、初日の28日は、のべ19万人が来場し、今年も大盛況の幕開けとなった。“コミケ先行発売”の他、“コミケ限定商品”など注目商品の出品も多く、毎年問題になっているのが“転売問題”。近年は多くの出展者が「転売ヤーから買っちゃダメだよ」とSNSで呼びかけるなど、「転売=悪」という構図も世間に広まってきた。実際にコミケに来場し、商品を買った方に話を聞いた。

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 今年は4日間開催初の“冬コミ”とあって、来場者が分散されることも予想されたが、初日ののべ人数は過去最高を記録するなど、高い注目がうかがえた。しかし、ポジティブな話題の他にも、“転売ヤー”や“待機列”などがTwitterのトレンド入りし、規約違反である“徹夜組”が大勢いたことなど、ネガティブなワードも多くの注目を集めた。

 昨今はオークションサイトやフリマアプリなど、気軽に出品できるツールも増えていることから、転売する方も買う方も気軽に行える状態になっている。徹夜組には多くの転売ヤーも含まれており、SNSでは「規約違反をしている人が商品を買えるなんておかしい」という声も多くあった。

 近場のホテルをとって始発の朝5時頃から並んだというエルムさん(学生)は、「始発で来ても人は大勢いたので、徹夜組はいたと思います。なので始発くらいで来ないと売り切れて買えないこともありますね。今回、自分は購入できましたが、もう少し遅く来た人はムリだったようです」と教えてくれた。フリマアプリの出品を見てどう思うかを問うと、「許せない! でもこれはモラルの問題だし、コミケ愛のない転売ヤーにそれを求めるのも難しいと思う」と諦め半分だった。

SNSでは「コミケ限定品をなくしてしまえばいいのでは」という声も目立つ。会社員のカゼノネさんは「そういう声もあるのはわかるが、それは違うと思う。イベント限定品があるからコミケの思い出ができる。以前『ポケモンGO』の歩きスマホが批判されたのと同じで、問題をすり替えるのは良くない」と、改めてユーザーのモラルを指摘した。

 また、転売商品を過去に買ったことがあるというみましださんにも話を聞けた。「どうしても欲しかった商品の発売日が友人の結婚式とかぶってしまい、個数制限もあったので友人に頼むわけにもいかず、オークションサイトに頼りました。確証はないですが、出品者は転売ヤーだったと思います。本来はいけないとわかっているのですが、当時はどうしても参加できない人にとっては唯一の手段という認識でしたね。最近は公式で通販や再販もしてくれることも多いですし、なにより『転売で買う人はファンじゃない』と推しが言っていたので、もう絶対に転売では買いません。推しのいうことは絶対なので、公式が発信してくれるのはありがたいですね」と、“推し”の注意喚起が決め手になったことを反省も踏まえて話してくれた。

 数十年にわたり開催され、新たなルールや改良を経て大きくなってきた『コミックマーケット』。今後の動きに期待したい。