坂本龍一、大島渚氏の写真に「今更ながら怖いです」

引用元:日刊スポーツ
坂本龍一、大島渚氏の写真に「今更ながら怖いです」

音楽家の坂本龍一(68)が19日、都内で「第1回大島渚賞」授賞式に出席した。

今年創設された同賞の審査員長を務める坂本はニューヨークから駆けつけた。映画「セノーテ」などが評価され、記念すべき第1回受賞者となった小田香監督(32)について「映画人であり、非常に先進的な思想家でもあった大島渚さんの思想と通底するものとぼくは強く思って感動しています。本当におめでとうございます。次回作、本当に楽しみです。期待しております」とコメント。

坂本が初めて映画音楽を担当したのが大島氏が監督を務めた「戦場のメリークリスマス」。同曲は第60回アカデミー賞作曲賞を受賞するなど、大島氏との深い縁をもつ。大島氏の写真をみながら「大島さんの顔をまじまじと久しぶりにみましたけど、いい顔ですね~本当に。この人に怒鳴られていたかと思うと、今更ながら怖いですね。あの時の感触がよみがえってきます」と笑いを交えてふり返った。

大島氏の名前を冠した映画賞の審査員長を務めることについて「大島渚賞などという素晴らしい賞の審査員長をぼくごときが務めていいものだろうかといまだに思っていますけども、拝命しましたので真摯(しんし)に選びました」と恐縮した。

同賞は、かつて大島氏が世界に挑戦したように、自ら世界に挑戦し、新しい道を切り開こうとしている若い映画監督に贈られるもの。国内外の日本映画に造詣の深い映画祭ディレクター、映画ジャーナリストなど推薦により、候補5監督を選出し、審査員が受賞者1名を決定するというもの。

審査員は、審査員長の坂本をはじめ、映画監督の黒沢清氏(64)、日本映画の活性化を推進していくPFF(PIA FILM FESTIVAL)の荒木啓子ディレクターが務める。