ミキシングによる“改造の楽しさ”を広めた『プラモ狂四郎』の功績、「ドム脚のジオングは衝撃だった」

引用元:オリコン
ミキシングによる“改造の楽しさ”を広めた『プラモ狂四郎』の功績、「ドム脚のジオングは衝撃だった」

 今年40周年を迎えた『機動戦士ガンダム』。世界的な人気を誇る強力IPだが、その礎となったのは1980年代前半のガンプラブームだ。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの“匠の技術”について、ミキシング(別キットのパーツを組み合わせる手法)の達人・寝太郎23(@NET_ARROW23)氏にインタビューを実施。ミキシングビルドの魅力を子どもたちに広めた『プラモ狂四郎』の原体験とその功績について聞いた。

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■同じメカデザイナーのパーツでまとめると“統一感”が生まれる

――今回紹介している機体はミキシングビルドによるものですが、寝太郎23さんはガンダム漫画の専門誌『ガンダムエース』のミキシングコンテストで優勝されています。ミキシングの楽しさ、醍醐味を教えてください。

【寝太郎23】「自分のオリジナルガンプラを作りたい」という欲求を実現できる点が醍醐味ではないでしょうか。ただ、自分でイチからデザインすることは難しいので、どうやったら自分なりの“オリジナリティ”を出せるかを考えています。例えば色ですね。シャア専用みたいな自分専用の色を作る、あるいは頭だけでも他の機体と挿げ替えれば、それだけでも“オリジナリティ”が生まれると思います。

――確かに、アニメ『ZZガンダム』ではZガンダムにザクIIの頭を載せた機体「Zザク」、『08MS小隊』は頭部を失った陸戦型ガンダムが陸戦型ジムの物で補修し「ジム頭」で登場。それぞれインパクトを残しました。こうしたミキシングビルドを行う際のポイントを教えてください。

【寝太郎23】この作品はスマホゲーム『ガンダムブレイカーモバイル(以下、ガンブレ)』をプレイしていて着想を得ました。ゲームをやっていて初めて出た星4がイージスガンダムの脚で、それが凄くカッコよくて。それで、「これをベースにミキシングで作っていこう」と考えました。

――なるほど。ではこの機体はゲーム内でも再現可能なのですね。

【寝太郎23】作品を見て「カッコイイ」と思ってもらえた人にゲーム内で再現できるように、また実際のガンプラでも再現できる組み合わせにしています。作品名はガンダムカリスト。『ガンブレ』の主役機はアルテミスなので、同じく神話をモチーフに、アルテミスの従者・妖精カリストから名付けました。

――ミキシングで制作する際のポイントは?

【寝太郎23】私がよくやっているのがメカデザイナーさんでパーツを統一する手法です。今回ですとイージスガンダムのメカデザインは大河原(邦男)先生なので、それをベースに、胴体と頭はストライクガンダム、腕はウイングガンダムといった具合です。

【使用ガンプラ】
頭:イージスガンダム
胴:ストライクガンダム
腕:ウイングガンダム
脚:イージスガンダム
背:リックディアス
武器:ガンダムデュナメス 戦国アストレイ
盾:ストライクガンダム

――確かにデザインにまとまりが出ますね。寝太郎23さんはガンダム漫画『ガンダムエース』のミキシングコンテストで優勝されていますが、この時はどんな作品を?

【寝太郎23】漫画版『ガンダムビルドファイターズ』の外伝に登場するオリジナルガンプラを作るというコンテストでした。ダークハウンドとガンダムスパロー(共に『ガンダムエイジ』)を制作しましたが、この際はデザイナーの海老川(兼武)さんがデザインした機体でまとめました。