加藤ミリヤ『人に気を使い過ぎる』高3男子にかけた言葉

引用元:TOKYO FM+
加藤ミリヤ『人に気を使い過ぎる』高3男子にかけた言葉

加藤ミリヤさんが、12月26日(木)放送のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」にゲスト出演。パーソナリティのとーやま校長とともに、リスナーの『今年、誰にも相談できなかったこと』を聞いていきました。その中から、高校3年生の男子リスナーとのやり取りを紹介します。とーやま校長:今日は、ミリヤ先生とこちらのテーマでお届けする!『今年、誰にも相談できなかったこと』。誰かにずっと話をしたかったけど、このことを言ったらどう思われるかな、と思って言えなかったこと。友達にも家族にも黙っていること……というような話を聞かせて欲しいと思っているんだけど。ミリヤ先生は、10代のときに自分だけで抱えてしまっていることってありました?

加藤:10代のころは本当にそうでしたね。言えないし、別にわかってもらえないだろうし、みたいな。割とそういうタイプで……だから、歌を書いていたんですけどね。だから、歌手になったって感じです。

とーやま校長:そうか。それをアウトプットする場所を自分で見つけて……。

加藤:そうですね。それで救われたっていう感じで。でも、唯一母には何でも話せる子だったので、母が友達みたいなところはあったから、それは良かった、助かったと思ってはいます。――リスナーの『今年、誰にも相談できなかったこと』とは

【高校に入るころから悩んでいることがあります。それは自分が二重人格なんじゃないかってことです。人に嫌われないように、友達に気を使ってみんなが嫌がることを全て引き受けてきました。そしたら自分がなんなのか、なんの為に生きているのか、わからなくなりました】――リスナーに電話

とーやま校長:まずは、勇気を出して書き込んでくれてありがとう。これは誰にも言えなかったの?

リスナー:言えてないです。

とーやま校長:今、高校3年生ということは、このことを1年、2年、3年……と思ってきたんだ。高校に入ってからそう思い始めたの?

リスナー:そうです。

とーやま校長:中学のときはどんな感じだったの?

リスナー:小学校のころからいっしょの人が多かったので、そんなに気を使うことはなかったです。高校に入ってから周りに気を使いすぎて、自分を見失った感じです。

とーやま校長:気を使うというのは、自分が思っていることがあってもあまり言えないとか?

リスナー:そうです。

とーやま校長:嫌なことをお願いされても、断ることができない?

リスナー:はい……。

とーやま校長:なんでそうしちゃうのか、自分で考えたことはある?

リスナー:例えば自分が何かを言ったときに、相手が傷ついたら自分のせいだって思いすぎてしまうから、なるべく相手が期待しているようなことを言って、相手を楽しませようとしてしまうんです。

とーやま校長:これは自分だけの話ではなくて、当然そこには相手がいるんだよね。相手の気持ちを汲んでの……今までの3年間ということだけど。

加藤:3年間すごして来たんだね。じゃあけっこう疲れちゃう?

リスナー:精神的にきます。

とーやま校長:そりゃくるよな。

加藤:唯一話せる友達、とかはいるの?

リスナー:中学校までの友達はいるんですけど、高校の話をしてもあまりピンとこないので……。

とーやま校長:ミリヤ先生は、周りのことを気にしすぎて、自分の思っていることが言えなかったこととかありました?

加藤:“分かんないなら黙っていよう”というタイプでした。高校生のときには音楽をやっていたというのもあるんだけど、学校生活で人と分かり合おうというのは諦めちゃっていたかも。そういう……関わることとか、人のことを思い合って何かをするとか、そういうこともあまり無かったですね。自分のことしか考えていなかったから。

とーやま校長:うん。

加藤:だから、こんなに人のことを……何というか、10代で考えられるんだなって、私は逆に驚いているけどね。優しいよね、人のことをまず考えるっていう。

とーやま校長:ね! 本当に思う。

加藤:もっとわがままでいいんだぞ! みたいな。自分のことを大切にすることが大事だから。もちろんみんなのことも大事なんだけど、自分のことを一番に考えて、もっとわがままでいいんじゃない? って思うけどな……。

とーやま校長:そうですね。(リスナーに)自分の思っていることは伝えたいし、嫌なことを頼まれたら断りたい、というのはあるの?

リスナー:あります。最初は友達だけだったんですけど、最近は家族にも本音が言えなくなってきているので……。

とーやま校長:うん。

リスナー:今、受験生なんですけど……志望校を決めるときも、自分の行きたい希望はあるけど、親とか学校の先生に薦められた所を選んでしまって。

とーやま校長:受験で目指している学校も自分の意思ではなくて、親や先生が「ここいいよ」って言ってくれた所に向けて勉強しているってことか。

リスナー:はい。なので勉強はしているんですけど、「本当に行きたい大学なのかな……」って。

とーやま校長:そうか。じゃあ「自分って何なんだろう?」とかも思うわけか。

リスナー:はい。

加藤:う~ん……。

とーやま校長:まぁ……言い方は悪いけど、流されてここまで来たってことだよね。でも言い方を変えたら、人が良いと言ったものを受け入れられる自分、ってことにもなるよね。ということを考えたら、結果、それは自分で選択しているっていう風にも俺はとれるなと思うんですよね。

加藤:うん、私もそう思ってた。

とーやま校長:そこで「自分って何なんだ?」ってなったら、誰かが「いいよ」って言ったものを、ちゃんと自分で進めていける人、という言い方もしていいじゃん。

加藤:そういうのも含めて、自分っていう。私もそう思う。結局は、自分で選んでやっているからね。

リスナー:はい。

とーやま校長:だから、今選んでいる学校とかも、無意識に「そうか、それがいいんだ」って思っているのかもしれないよ。

加藤:うん。でも、人によるからね。本当にいろんな人がいるから、自分の思いを……例えば、私は言葉にするのがすごく簡単にできる人。でも、自分の思いを言葉にしたり人に伝えたりするのが苦手な人もいて。でも思っていることはあるわけだから……書くこと。SCHOOL OF LOCK! ってそういう場所だな、とも思うんだけど、言葉にできなくてもまず書いて送るっていう。

とーやま校長:うん。

加藤:あと、せめて親には本当の姿を見せて欲しいと思うから、今思っている気持ちを手紙でとかね、「本当はこう思っている」ってことを紙に書く……喋んなくていいから。

とーやま校長:今、学校掲示板を見ると、『僕らはみんな二重人格ですよ』、『それが普通ですよ』って書き込んでいるヤツがいて。ど真ん中で共感しているヤツもいるよ。それは、(リスナーが)書き込んでくれたことから始まっているわけだから。

加藤:そうそうそう。

リスナー:はい。

とーやま校長:今、どういうことを思っている?

リスナー:他の人に言われたことをそのまま説明できることも自分のいいところなんだなって思ったし、言葉にできなくても書いたら共感してくれる人がいることもわかったし。これからも、言葉に表せなくても書いて誰かに伝えていきたいなと思います。

とーやま校長:うん! それでいいですよね?

加藤:うん……でも、わがままに生きたらいいと思う。これはみんなに言いたい。

とーやま校長:伝えてくれてありがとう。引き続き勉強も頑張れよ!

加藤:頑張ってね!

リスナー:はい!

加藤さんは、11月にベストアルバム『M BEST II』をリリース。12月25日には、ファン投票によって選ばれた15曲が収録された『M BEST-FAN’S SELECTION-』が配信限定でリリースされています。詳細はオフィシャルサイト(https://www.miliyah.com/)まで。