生活は苦しくとも…フェスや武道館を目指し、音楽に人生を捧げるバンドマンたち

引用元:AbemaTIMES
生活は苦しくとも…フェスや武道館を目指し、音楽に人生を捧げるバンドマンたち

 人はいつまで夢は追い続けるべきなのだろうか。

 「何も仕事に就かないで、夢ばかり見るのはやめたほうがいい」(17歳・高校生)
 「生活できない状態で夢を追うのはちょっとな」(23歳・会社員)
 「20代までとかに売れなかったら次にいくとか明確な目標があったほうがいい」(22歳・美容師)

 といった現実的な考えを持った人のいる一方、諦めることなく夢を負う人もいる。その代表格が「バンドマン」ではないだろうか。 生活は苦しくとも…フェスや武道館を目指し、音楽に人生を捧げるバンドマンたち 大橋氏  1980年代には空前のバンドブームに沸いた音楽業界だが、近年ではCDの売り上げも落ち込み低迷気味。音楽だけで食べていけるバンドは、まさにほんの一握りだ。ジャーナリストの鈴木亮介氏は「10年くらい前から学校の軽音部も盛んになっていて、バンドをやり始める若い子は増えてきていると思う。ただ、続ける子が少ないという印象だ。スポーツと同じように、高校の3年間だけギターを弾いて、大学に入ったらやめると。情報がいっぱい入ってくる分、プロでやっていくのは無理だと初めから諦めている子も多い」と話す。
 
 バンドマンの経験を仕事に活かす人たちもいる。“元バンドマン採用”を行っている空調会社の巧株式会社は、大橋大記代表取締役や役員も元バンドマンなのだ。「一つの船を複数人で動かすということでは全く一緒。そういう人間が会社にいれば、色んな舵を切っていけるのではないかと思った」(大橋氏)。 生活は苦しくとも…フェスや武道館を目指し、音楽に人生を捧げるバンドマンたち カザマタカフミ

■「バンドで一番多く使った言葉を バイトで一番多く使ってる “ありがとうございました”」

 「下北沢の周辺は売れないバンドマンの巣窟 その彼女はだいたい憂鬱 24歳を過ぎて焦りだす
  売れたいっていうあなたが頑張る曲作り よりコネづくり スタジオよりも多い飲み会 彼女だって二人で飲みたい」(『売れないバンドマン』)

 “バンドマンが歌うバンドマンの悲しき実情を歌う3markets[ ](結成15年目)のカザマタカフミ(Gt.&Vo.)の著書『売れないバンドマン』には、「お金もないくせに夢だけあって」「夢があるくせに計画性がなくて」「計画性もないのに才能があると信じて日々何もせず」「暇さえあればギターよりスマホをいじってるだけで」と綴られている。

 夢は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出ること。「達成できなかったらやめようという覚悟ではある。まあでも…辞められないところまで来ている。聴きに来てくれる人がいるっていうのが1番だなって。いなかったらやっていないので。お金にはなっていないけど、それで生きていけたらいいな」。(カザマ)

 カザマたちがスタジオに集まって練習するのは月に4回程度。費用は平日の場合、3時間パックで4000~5000円なので、月に約2万円の計算だ。その他、ライブをするにも、CDを作るにも、物販のためのグッズを用意するにもお金がかかる。ライブチケットやグッズ販売で利益が出たとしても、スタジオ代や機材費、グッズ制作に消えていくという。売れなければ当然赤字だ。「昔は月5万円持ち出しとかやってました。それも足りなかった」(カザマ)。

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