“闘将”の目にも涙…闘莉王が引退会見「こんなしょうもない人間を支えてもらい感謝」

引用元:ENCOUNT

 サッカー元日本代表DFで、J2京都サンガの田中マルクス闘莉王(38)が1日、都内のホテルで記者会見を開き、現役引退を表明した。19年間のプロ生活を終えることになり、「あっという間のプロ生活を引退します」と報告し、「たくさんの人たち、ファン・サポーターに、こんなしょうもない人間を支えていただき、感謝の気持ちで胸がいっぱいです」と感謝の思いを語った。

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印象に残る試合は「駒ちゃんのPK」…2010年南アW杯戦士が現役生活に区切り 「日本人魂、人に対するリスペクト」深めたサッカー人生

 プロ生活で誇りに思うことを聞かれ、「時には頭が割れてでも筋肉が肉離れになっても、鼻が折れてでも、ピッチに戻ろうとしたその気持ちを誇りに思います。たくさんの仲間に出会えたことも誇りに思います」とあふれる情熱を語った。1998年にブラジルから来日した闘莉王。戦前に日本からブラジルに渡った祖父母のことを聞かれると、「おばあちゃんからずっと言われていたことは『日本人魂、人に対するリスペクト』ということ。ずっと口酸っぱく言ってくれた。日本にいたらいるほど、日本人魂と人に対するリスペクトが大切なものだなと感じています」と感慨を込めた。
 
 印象に残っている試合について、16強進出を果たした2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦・パラグアイ戦を挙げた。「パラグアイ戦での駒ちゃん(駒野友一)がPKを外した瞬間が、すごく印象に残っています。次のキッカーが自分だったということもあって、自分のところまで回ってきたらどうだったんだろうな、と。それも神様の自分に対するいやがらせかな。外すんだったら、自分でもよかったんじゃないかと。あんだけPKを外しているのにも関わらず、岡田さん(岡田武史監督)から『お前いけるぞ』と言っていただき、疲れなのかかぼーっとしていて、すぐにはいと言ってしまった自分はどうかしていたんじゃないかなと。でも、結末を見れずに終わってしまった、あの瞬間が印象的です」と振り返った。

 会見中は何度も涙をこらえる場面があった。