「養育里親」の存在をもっと広めたい! 保護を必要としている子どもたちに

引用元:TOKYO FM+
「養育里親」の存在をもっと広めたい! 保護を必要としている子どもたちに

住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。12月23日(月)放送の「Blue Ocean Professional」のコーナーでは、日本こども支援協会代表の岩朝しのぶさんが登場。日本こども支援協会の活動に関してお話をお聞きしました。

◆子どもを預かって家庭で育てる「養育里親」

住吉:日本こども支援協会がどのような活動をされているNPOか、教えて頂けますか?

岩朝:はい。様々な問題を抱えた子どもたちが社会的に養護されている現状がありますが、その子どもたちの未来を支えることの1つに「里親制度」というものがあります。日本ではまだまだ知られていないのが大きなネックになっていますので、里親制度の啓発活動を中心に虐待防止活動などもおこなっています。

住吉:里親制度は、海外では国や地域によって、すごく広まっていますが、日本ではまだまだ理解も含めて広まっていないという感じですね。

岩朝:はい。

住吉:里親制度とよく混同されるものとして、「養子縁組」があると思うのですが、この違いを教えて頂けますか?

岩朝:アンジェリーナ・ジョリーさんのように、海外のスターが養子縁組をするとニュースになるので、里親=養子縁組だと思っていらっしゃる方が多いようなのですが、実は養子縁組が行われる子は国内で年間約500~ 600人程度なんです。

一方で、(それ以外の)親元で暮らせない子どもたちの約8割は施設で暮らしています。だから、今日本で一番必要とされているのは「養育里親」で、つまり育ての親が必要ということなんです。本当であれば一般家庭と同じような環境で育っていくのがいいわけですから。

住吉:養子縁組だと、戸籍上ではいわゆる親子になるわけですよね。

岩朝:はい。養育里親というのは、親権は生みの親が持っていて、例えば私なんかもそうですけど、一緒に暮らしているだけで戸籍は違うんですね。その子は岩朝ではないんです。本名を持っていますが、通称は岩朝として学校では名乗っています。基本的に法的な親というのは別にいます。

すべての親が子どもを産んだとしても、様々な理由もあって自分で育てられるというわけではないです。そのとき、育ての親として施設にポンと入れるのではなく、子どもを1人ずつ家庭で育てていくという里親が養育里親です。

住吉:日本ではなかなか広まっていないということでしたが、現状はどういう感じなんですか?

岩朝:全国里親会という里親の全国組織があるんですけど、そこで登録している人たち、認定されている人たちは約1万1,000人ほどおります。

住吉:里親家庭の数が、1万1,000人ぐらいってことですか。

岩朝:はい。実際にそのなかで子どもを養育している里親家庭は、約4,200世帯になります。これは全国べースですね。

住吉:グンと減るんですね。実際に必要とされている里親家庭の人数はどのぐらいなんですか?

岩朝:全国で4万5,000人もの子どもたちが保護されていますが、これ以上、子どもたちの行き場がないから保護できないという現実もあります。虐待通告が年間13万件に増えているなかで、通報をされても帰すしかないというのが現状ですね。3%ぐらいの子どもしか保護できていないです。97%は家に帰されてしまいます。