「シンプソンズの吹替は日本語版が世界一」 熱い心で配給会社をも動かしたファンクラブがオリジナル声優と“ファミリー”になるまで

引用元:ねとらぼ
「シンプソンズの吹替は日本語版が世界一」 熱い心で配給会社をも動かしたファンクラブがオリジナル声優と“ファミリー”になるまで

 アニメ「ザ・シンプソンズ」をこよなく愛し続ける人たちがいます。約12年にわたって活動している非営利ファン団体「シンプソンズファンクラブ」です。映画版に芸能人声優が起用された際には配給会社をも動かし、オリジナル声優の復帰に一役買ったほか、オリジナル声優の故・大平透さんが晩年体調を崩したときには、ファンが食事の世話をするなど家族のような交流を続けてきたと言います。なぜそのような特殊な関係性を築けたのか、“会ったこともない人たち”が“ファミリー”になっていく物語を追いました。

【シンプソンズのオリジナル声優さんたち】 「シンプソンズの吹替は日本語版が世界一」 熱い心で配給会社をも動かしたファンクラブがオリジナル声優と“ファミリー”になるまで 世界中で愛されている「シンプソンズ」。(シーズン29がFOXチャンネルで2020年1月12日から放送開始) (C)2017-2018 Fox and its related entities. All rights reserved.

「シンプソンズファンクラブ」とは

 アメリカアニメ史上最長寿番組として知られる作品「ザ・シンプソンズ」は、アニメーション製作者、マット・グレイニングによって創作された物語。

 アメリカにある架空の街「スプリングフィールド」を舞台に、主人公で原子力発電所の安全検査官として働く父・ホーマー、専業主婦として一家を支えるマージ、好奇心たっぷりでいたずら好きな長男・バート、秀才でサックスが得意な長女・リサ、おしゃぶりがトレードマークの次女・マギー。そして飼い犬のサンタズリトルヘルパー、いろいろあって飼うことになった猫のスノーボール2世からなるシンプソンズ一家の日常が、ブラックユーモアと風刺たっぷりに描かれています。 「シンプソンズの吹替は日本語版が世界一」 熱い心で配給会社をも動かしたファンクラブがオリジナル声優と“ファミリー”になるまで ザ・シンプソンズ MOVIE(Amazonより)

ファンクラブ誕生のきっかけは芸能人声優起用騒動

 日本では衛星放送や一部地上波テレビでも放送されたほか、サントリー「C.C.レモン」「ミスタードーナツ」などのCMキャラクターとして起用されたことから親しまれています。

 しかし、2007年公開の映画「ザ・シンプソンズ MOVIE」では、長くシリーズの日本語吹替版を担当していた大平透さん(ホーマー役)、一城みゆ希さん(マージ役)、堀絢子さん(バート役)、神代知衣さん(リサ役)らオリジナル声優ではなく、人気芸能人が吹替版キャストに起用されることが決定。 「シンプソンズの吹替は日本語版が世界一」 熱い心で配給会社をも動かしたファンクラブがオリジナル声優と“ファミリー”になるまで 集まったWeb署名の一部  ファンからは「長年担当されていた声優さんがいるのになぜ!?」「『ザ・シンプソンズ』の日本語版吹替は世界一面白く、世界最高の吹替なのに、ようやく決定した初の映画化で肝心な主役が総入れ替えにされてしまうなんて……」と驚きと悲しみの声が上がり、芸能人声優起用報道から約1週間後には「映画版『ザ・シンプソンズ』声優変更を考える会」が誕生しました。

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