森昌子、事実上引退 ラストコンサートで大粒の涙

森昌子、事実上引退 ラストコンサートで大粒の涙

 歌手、森昌子(61)が25日、故郷の栃木・宇都宮市文化会館でラストコンサートを行い、事実上引退した。万感の思いを込めて全25曲を熱唱。途中、大粒の涙を流す場面もあったが、最後は「やっぱり、ふるさとが一番。森昌子は永遠に皆さんの心の中で一緒です!」とあいさつし、昌子らしく明るく元気に別れを告げた。年明けにスポンサー貸し切りの16公演を残しているが、これからは本名の森田昌子に戻って第2の人生を満喫する。

 「もし、どこかで見かけたら声をかけてください。森昌子は永遠に皆さんの心の中で一緒です」

 ラストソングに選んだこの日2度目のデビュー曲「せんせい」を歌い終えると、涙はなく、全国のファンに届けとばかり叫ぶように呼びかけた。

 全国津々浦々130カ所で展開してきたラストツアーの最終日。公演はいつものように、つなぎ姿でランドセルを背負った小学2年生キャラ、ま~ちゃんとして登場し、爆笑コントの歌謡ショーでスタートした。

 続いてセーラー服姿で「せんせい」「同級生」「中学三年生」の学園三部作をメドレーで披露。振り袖姿では「おかあさん」、さらに白いドレスに着替えて「哀しみ本線日本海」「越冬つばめ」と、47年の足跡を追うように全25曲を熱唱した。

 ラストシングル「あなたの愛に包まれながら」を紹介する際、引退について「私なりに考え抜いた結論です。わがままを許してください」と涙声に。結婚、離婚を経て、3人の息子を育てるために13年前、歌手復帰したことを告白した。

 アンコールでは一転、背中に「とちぎ」と書かれた地元Tシャツにジーンズ姿で現れ、大粒の涙を流しながらも「ここにはいっぱい、いっぱい、いろんな思い出があるの。130カ所、全国で歌わさせていただきましたが、やっぱりふるさとが一番!」と元気いっぱい。万雷の拍手が巻き起こると、「皆さんと歩んだ、この47年を忘れません。どこにいても、この思い出を宝に元気に生きていきます」と再び笑みがはじけた。

 来年2、3月には調整のつかなかったスポンサー買い取りの16公演、計24時間の残業が待っているが、一般発売はない。今回が事実上のラスト公演で終了後、報道各社にファンに宛てた手紙を送付。そこには「残された人生は私人に戻り、心穏やかに過ごして参ります。長い間、本当にありがとうございました」とつづられていた。

 年末年始は自宅で家族とゆっくり過ごし、第2の人生設計図を思い描く。