【10リスト】UVERworldはなぜ強くて優しいのか? 男の「拳」と誠の「愛」が伝わる名曲10はこれだ!

引用元:rockinon.com
【10リスト】UVERworldはなぜ強くて優しいのか? 男の「拳」と誠の「愛」が伝わる名曲10はこれだ!

人生や夢を追いかけライバルとしのぎを削る情熱と、大切な仲間や恋人に捧げる掛け値なしの愛。UVERworldの楽曲のベースにはこの2つが途切れることなく流れていると思う。そして結局その両者は同じことなのだ、という強い想いを、その音楽からは感じる。「男祭り」と「女祭り」で見せる全く別の顔がどちらもUVERworldの本質であるように、すべては「本気で生きる」という根っこのテーマにつながっているのだ。今回はそんな「拳」と「愛」の10曲をピックアップ。どの曲にもとてつもなく濃い想いが入っていることが伝われば嬉しい。(小川智宏)

①いつか必ず死ぬことを忘れるな
ラテン語で「メメント・モリ」というのとはまた違う強さと切実さを感じさせる“いつか必ず死ぬことを忘れるな”というタイトル。元々の仮タイトルが“LIFE”だったという事実からもわかるとおり、6thフルアルバム『LIFE 6 SENSE』を象徴する一曲だ。《志半ばで死んで逝った者達を 横目に死んだふり出来んのか?》、《生かし合って 殺し合って そこで少し正解(こたえ)を知った》と畳み掛けるように繰り出されるメッセージが圧巻で、TAKUYA∞(Vo・Programming)の死生観がはっきりと伝わってくる。2011年に発表されたということも含めて、タフな運命を感じさせる。

②バーベル~皇帝の新しい服ver.~
イントロからヘビーなギターが鳴り響くハードロックナンバー。その男臭いサウンドに乗せて歌われるのは、童話『裸の王様』の王様が実はただの間抜けなのではなく、筋トレマニアで筋肉を見せびらかしたかったのだとしたら……という衝撃の世界だ。《上腕二頭筋が スゲーって 王の腹筋やっぱスゲーって/本当の事 さぁ聞かせてよ》と自信たっぷりの王様に対し、民衆の《この国の民衆達に 裸を晒せる国王が欲しい/もちろん身体じゃなく 心の話ね》という言葉がチクリと刺さるあたりはユーモアと同時に皮肉というか「鍛える」ということの意味を考えさせられる。

③23ワード
「情熱は、足りているか?」というキャッチコピーとともにリリースされた7作目のフルアルバム『THE ONE』のなかでも、その「情熱」を強く感じさせる“23ワード”。ただの友情よりも深くて熱い、男同士の絆を真正面から歌ったこの曲は、いわばUVERworldの基本姿勢を改めて示した楽曲だともいえる。シンプルなミクスチャーサウンドにのせて《同志》との出会いから現在の関係性までが歌われる。それが最終的に《セントラルパーク ダコタハウス前/来世はそこから旅を始めようぜ》というところに繋がっているところを見ると、ともに音を鳴らす仲間のことを歌ってもいるのだろう。

④Fight For Liberty
TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』のオープニングテーマとして書き下ろされ、その後シングルとしてもリリースされた“Fight For Liberty”。心を掻き立てるような緊迫感のあるサウンドに乗せて「戦い」と「人生」を重ね合わせて歌われるのは、タフな日々を前に向かって進んでいく決死の覚悟だ。《不確定な未来に掲げる絶対的/生きると言う全てのanswer》、《戦う時はいつだって一人だぞ/でも一人じゃない事もわかるだろ?》――『ヤマト』の物語とUVERworldのメッセージが完全にマッチした名曲だ。タイトルはチャールズ・チャップリンが映画の中で行った演説の名文句から。

⑤IMPACT
誠果(Sax・Manipulator)が加わり、新たなスタートを切ったUVERworldの狼煙のような楽曲。ライブでもぶち上がる大定番曲だ。《Ladies and Gentlemen/Are you ready for DANCING?》とオーディエンスに問いかけるところから始まるこの曲の肝は、歌詞に込められたテーマもさることながら、ライブの会場を徹底的にかき混ぜて煽り立てるその展開にある。《暴走する不満の行き場はLIVE》、《行こう 起きても覚めぬ夢の中へ》というTAKUYA∞の言葉には、UVERworldがライブをどういう場として捉えているのかが改めて示されている。まさにその空気と昂揚を共有すること自体が彼らからのメッセージなのだ。

⑥体温
シングル『儚くも永久のカナシ』のカップリング曲でアルバム未収録ながら、ファンのあいだでは高い人気を誇るラブソング。アコースティックギターのストロークを基調とした温かみのあるサウンドとシンプルに語りかけるようなメロディに乗せて今は隣にいない「君」に向けて歌われる切ない想いは、描写が繊細でリアルな分、胸に迫る。《何もかも見えないからこそ 愛の本質が見えてくるんじゃないか?》というフレーズにはTAKUYA∞にとっての「愛」のひとつの形が透けて見える。

⑦心とココロ
純粋な永遠の愛を歌った力強い一曲。UVERworldのラブソングは数多いが、ここまで実直で優しい楽曲は珍しいのではないかと思う。すぐそばにいる「君」に向けて、本当に話しかけるようにして重ねられる言葉にはちょっと気恥ずかしくなるほどの親密さが宿る。《この世に産まれた日 ずっと僕は 隣に君が居ないと泣いてたんだ》と堂々と歌えるTAKUYA∞は、本気で生きるのと同じように本気で愛せる人なのだなと思う。そういう意味ではバンドに懸ける「情熱」も大切な人に注ぐ「愛」も、彼にとっては同じなのかもしれない。

⑧AWAYOKUBA-斬る
曲名や誠果のサックス、ストリングスが印象的な大迫力のアレンジから受ける印象からは意外なほど、真正面から「愛」について考え続ける楽曲だ。愛とは何か? それを育てることとは? それを失うこととは?……もちろん答えの出ない《究極》の問いを、この曲の主人公は自分自身に投げかけ続ける。そしてその中で導き出されるキーワードが《太陽》だ。哀しみを消し去り、美しい花を見せるために《太陽に手を伸ばす》主人公の姿は、音楽で力強く人生を照らし続けるUVERworldの姿とも重なる。

⑨a LOVELY TONE
TAKUYA∞が友人の結婚式で歌えるようにと作ったこの曲。そういう意味では軽やかなリズムに乗せて《僕と一緒になろうよ》と歌うストレートなプロポーズソングになっているが、そこにも一生をかける強い決意が滲むのがUVERworldらしい。《僕はもう覚悟が出来た 君の居ない未来に未練は無い/誰よりも幸せにするから》――このラストのフレーズが強さを持つのは、そこに嘘がないことを彼ら自身の生き様が証明しているからだ。メッセージの甘さとは裏腹に、どこか絞り出すようなTAKUYA∞の歌声が、そのシリアスな「本気」を物語っている。

⑩SHOUT LOVE
2017年リリースのフルアルバム『TYCOON』のリード曲として発表された“SHOUT LOVE”。スケールの大きなロックサウンドに包まれるようにして絶対的な愛を囁く、至上のラブソングだ。繰り返される「SHOUT LOVE」という言葉は心の声のように響き、アウトロのサックスが2人の「これから」を導く。女性目線でTAKUYA∞を撮ったミュージックビデオもインパクト大だが、こうしたイメージからも伝わってくる少し大人な愛のありかたは、今のUVERworldだからこそ歌える世界でもある。「愛とは何か」を突き詰めるように考えるのではなく、そこにある絶対的な愛を受け止め、受け入れること。《何故こんなに好きになってゆくのかを/隣にいて教えて》と相手に投げかけるラストは、TAKUYA∞の中の変化を象徴していると思う。 rockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)