デフ・レパードの『PYROMANIA』は、80年代ヘヴィメタルブームに火を放った名盤!

引用元:OKMusic
デフ・レパードの『PYROMANIA』は、80年代ヘヴィメタルブームに火を放った名盤!

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はデフ・レパードの3rdアルバム『炎のターゲット(原題:PYROMANIA)』を紹介する。彼らの代表作として名が挙がることが多いのは、全世界で2000万枚という破格のセールスを記録した1987年のアルバム『HYSTERIA』だが、メタルファンの間で圧倒的に人気が高いのは本作だ。文字通り、80年代メタルブームの火付け役となった名盤について語る!
※本稿は2015年に掲載

若者たちから熱狂的な支持を獲得

1970年代末にイギリスで勃興したムーブメント、NWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)の一角として、アイアン・メイデンやサクソンに交じり登場したデフ・レパードは、男臭さ全開のNWOBHMバンド勢において、万人受けするポップセンスを備え、デビュー当初から異質な存在だった。デビューシングルでいきなり「ハロー・アメリカ」と、アメリカ市場への野望を隠そうとしなかった彼らは、自らを他のNWOBHMバンドと一線を画し、独自のキャッチーさと英国人らしいセンチメンタリズムを配合したスタイルを模索した。一説によれば、彼らはNWOBHMにカテゴライズされることを嫌っていたという。

1983年、NWOBHMの人気に陰りが見え始めたその頃、アメリカ西海岸ではまったく毛並みの違うスタイルのヘヴィメタルに若者が群がっていた。その年の1月にレコード店に並んだ本作『PYROMANIA』は、そうした若者たちから熱狂的な支持を獲得することに成功。シングル「Photograph」、「Rock of Ages」、「Foolin’」といったシングルが次々と全米チャートのトップ20圏内入りしたことで、この年だけで600万枚の売上を計上(最終的には1000万枚超)。チャートでの最高位は2位だったが、その時首位に君臨していたのがマイケル・ジャクソンの『スリラー』だったと言えば、この2位にどれほどの意味があるかが分かるだろう。