【担当記者が見た】嵐の五輪“プレ開会式”問題は音響

引用元:スポーツ報知
【担当記者が見た】嵐の五輪“プレ開会式”問題は音響

 嵐が5月に国立競技場で行う初のコンサートは、警備や運営面などで東京五輪・パラリンピックの“プレ開閉会式”。5人にとって、この日は半年後に向けた“プレ公演”となった。

 新国立で特徴の天井を覆った「風の大庇(おおびさし)」。実際にフィールドから見上げてみると予想以上に開放感があった。47都道府県の木材を使った庇はそのままでも趣はあるが、照明が当たると、また別の“顔”になり、隙間から差し込む夜光とともに独特の“味”を醸し出していた。

 一方、野外公演では天候はもちろん、問題は音響だ。ライブ制作関係者によると“旧競技場”では音漏れの問題から、ドーム会場などの密閉空間と比べると音量を「バラードレベル」に抑える必要があったという。

 天井に庇がある分、“旧競技場”に比べて音漏れの問題は軽減されたように思う。それでもこの日の嵐は、ドリカムと共に本来のライブとは程遠い音量で、盛り上がりに欠けた印象は否めない。しかしそれは、競技場周辺の音漏れ状況を確認する意味合いもあったのだろう。

 嵐はかつての国立ライブで300トンの水、花火1500発、風船3万個を使った野外ならではの演出で観客を魅了した。来春には中国・北京公演も決まっているが、国内での単独公演としては見納めになる可能性もある5月の新国立ライブ。華やかなステージを作り上げるためにも、5人にとって意味ある一日となったはずだ。 報知新聞社