映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』のディーン監督、「ブレずに3作撮り終えた」

引用元:マグミクス
映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』のディーン監督、「ブレずに3作撮り終えた」

 ドリームワークスの3DCG映画『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』が2019年12月20日(金)に公開されます。

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 人間とドラゴンが共存する島、バーク島は急激な人口増加で定員オーバーに。若きリーダー、ヒックは島を出て新天地を目指すことを決意します。しかし、ヒックの相棒で、伝説のドラゴン“ナイトフューリー”の生き残りのトゥースを狙うドラゴンハンターに追われ、さらには謎のメスドラゴンのライト・フューリーがトゥースの前に現れて……。

 同作は、『ヒックとドラゴン』(2010年)、『ヒックとドラゴン2』(2014年)に続く3作目。前2作に引き続き監督をつとめたディーン・デュボア氏に、今作の悪役が象徴するものや、お気に入りのキャラクターなどについて聞きました。

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ーー「ヒックとドラゴン」シリーズ3作目を作り終えた感想は?

デュボア監督(以下敬称略) 誇らしい気持ちとホッとした気持ちがあります。3作品を10年かけて作りましたが、最初に「3部作にしよう」と思った時の理想からブレずに完走できました。ヒックたちや一緒に作ってきたスタッフたちとお別れしなければいけない寂しさはあるけれど、新しい世界に飛び込むチャンスなのでワクワクもしています

ーーキャラクターの容姿や装備が前作から変わったのは、時代の変化や彼らの成長を表現するためでしょうか。

デュボア 成長を見せたいということと、技術が洗練された部分を見せたい両方の気持ちですね。技術が向上していくと同時に成長を見せられるかなと思いました。

ーー今作で悪役をドラゴンハンターにした理由は何でしょうか?

デュボア 描こうとしていたのは、「問題は人間」ということ。ドラゴンの象徴は「自然」で、人間が自然と共存することができるようにならなければ、ドラゴンと一緒に暮らせません。「人間が今抱えている問題を解決しなければ」ということに触れたい気持ちの表れです。

 前作『2』の悪役はドラゴンの軍団を作ろうとしている人間でしたが、今回のグリメルはヒックと対比できるキャラクターにしたかったんです。ドラゴンハンターのグリメルは「共生」という考え方を憎んでいます。自分はエリート主義であり、自分の住む空間に害獣と見なしているドラゴンと一緒に住むなんて考えられないというキャラクターです。

 彼が象徴するのは不寛容です。私たちの世界の一部の人間がそうであるように。不寛容のマインド自体が今回の敵だと考えていただければと思います。グリメルは思いやりを持たないような人間で、ヒックと真逆です。ヒックは「お互い理解できれば共生できる」という考えを皆と分かち合いたいというキャラクターです。