【王手報知】天才・藤井の挑戦状…7手詰め詰将棋1分間に17問

引用元:スポーツ報知
【王手報知】天才・藤井の挑戦状…7手詰め詰将棋1分間に17問

 将棋の藤井聡太七段(17)が8日に名古屋市内で開催された「将棋プレミアムフェスin名古屋2019」で神業を披露した。7手詰めの詰将棋を1分間に何問解けるかを競うコーナーで、なんと17問を正解。スポーツ報知は主催社の協力を受け、天才少年が1問平均3・53秒で解いた全問題を独占入手。あなたは17問を解くのに何分、いや何時間、それとも何日、はたまた何週間かかるだろうか―。いざ、挑戦を。

 大歓声でも拍手喝采でもない。本当に驚いた時、人は笑うのだと藤井の頭脳は教えてくれた。天才が瞬時の正答を繰り返す度、約750人の観客で埋まった会場は笑い声に包まれた。文字通りの「もう笑うしかない」衝撃だった。

 師匠の杉本昌隆八段(51)が1分間に7手詰めの詰将棋を9問正解した直後。ずっとニコニコしていた藤井の瞳に鋭い光が宿った。タイムトライアルが始まる。モニターに映される図面を見て、最終手を「~まで」と挙げる方式で17問を正解した。

 誰が決めたか「師匠の倍以上を解いて勝利」というルールだったため、勝負としては1問届かず。「あと1問は解けたので残念です」「師匠に勝つことができなくて残念です」と反省と悔恨の念ばかりを口にした。

 その後、図面表示なしで駒の位置情報のみが「攻方 3四桂」などと1手ずつ画面に示される7手詰めでも、瞬間的に正答を連発。最後は、江戸時代の名人である九代大橋宗桂の作品「将棋舞玉」第8番の41手詰めをわずか27秒で解き、師匠に「人間業ではないですね…」と脱帽させた。

 スポーツ選手の運動能力とは異なり、可視化されにくい棋士の思考能力。しかし、17歳が17問の詰将棋で明示した力は、100メートルを9秒台で走るスプリンターと同じような領域に達した能力に映った。終了後、詰将棋の極意を尋ねると「特に短い手数の詰将棋では、詰み形のパターンを多く知っていることが速く解けることにつながると思います」と即答した。

 多数の棋士が参加する「詰将棋解答選手権」で小学生時代から5連覇中の藤井がイベント開始直前まで控室で取り組んでいたのは、言うまでもなく詰将棋だった。

 千里の道も一歩から。まずは1問目から始めてみましょう。(北野 新太)

 〇…囲碁・将棋チャンネルは、2020年1月1日午後2時から新春特番「藤井聡太~王将戦挑戦者決定リーグ戦を振り返る~」を放送。惜しくも史上最年少タイトル挑戦は実現しなかったが、羽生善治九段(49)に勝利するなど棋界最難関のリーグで堂々の4勝(2敗)を挙げた奮闘を自ら振り返る貴重な番組になる。同番組は「将棋プレミアム」でも同日から配信される。

報知新聞社