市原悦子さんが未公開アニメで蘇る!来年1月の追悼朗読会で上映へ

市原悦子さんが未公開アニメで蘇る!来年1月の追悼朗読会で上映へ

 テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」の語りでも親しまれ、今年1月12日に心不全で死去した女優、市原悦子さん(享年82)が声優&語りを務めた未公開アニメが見つかったことが16日、分かった。アニメ制作専攻の大学生と一緒に、心を込めて作った逸品ぞろい。来年1月に開催の決まった追悼朗読会で一般上映され、ほのぼのとした声が再びファンの心に届く。

 ドラマ「家政婦は見た!」シリーズなどで人気を博す一方、声の仕事もライフワークだった市原さん。その真骨頂が見られる作品が見つかった。

 所属事務所によると、注目の未公開アニメは遺族の協力を得て東京都内の自宅で遺品の整理をした際、DVDの中で発見された。TBS系「まんが日本昔ばなし」をかつて演出した東京工芸大芸術学部の三善和彦教授が、数年前までアニメーション学科の学生に卒業記念で作らせたものという。

 中身はことわざの語源を1本2分半ほどのアニメにしたもので、メインタイトルは「ことばのそもそも」。三善教授から依頼を受けた市原さんが声で登場人物に命を吹き込み、語りを担当した。たとえば、最後の仕上げを忘れるという意味の「画竜点睛を欠く」編では、中国の絵師が竜の絵の最後に瞳を入れたところ竜が天に昇った故事を生き生きと表現。BGMも含め完成度は高い。

 他にも「虎の威を借る狐」など十数本。その中から9作品が、来年1月25、26日の2日間、東京・セルリアンタワー能楽堂で行われる追悼朗読会で一般公開されることが決まった。

 さらに、1975年にスタートし、故常田富士男さんと声優を担当した「まんが日本昔ばなし」の市原さんの穏やかで温かみのある声を後世に引き継ぐため、生前の声をAI(人工知能)で組み合わせ、新たなアニメ「新まんが日本昔ばなし」を制作する企画が浮上していることも判明。関係者によると、来年4月以降の放送を目指している。

 所属事務所は「市原の残した声が、日本に伝わる昔話や朗読文化の継承につながり、ひいては第二の市原悦子が誕生するきっかけになれば幸いです」と話している。