事務所と弁護士もくろむ 沢尻エリカ“芸能界最短復帰”のシナリオ

事務所と弁護士もくろむ 沢尻エリカ“芸能界最短復帰”のシナリオ

城下尊之【芸能界仕事術】

 麻薬取締法違反の罪で起訴された沢尻エリカ被告(33)。起訴後の彼女と、彼女を取り巻く環境の動きを見ていると、これから先の彼女がどうなっていくのか、その姿が見えてきた。

 いや、ハッキリ言って「最短での芸能界復帰」を目指し、そのために逆算されていると言えそうだ。

 今月6日に起訴された沢尻被告は即日、保釈となり、東京湾岸警察署を出たのだが、当初は警察署を出る時に「報道陣に姿を見せる」という情報が所属事務所関係者から流れていた。しかし、沢尻被告は警察署内で車に乗り込み、後部座席をカーテンで覆っていたため姿を見ることはできなかった。そして、そのまま都内の病院に入院している。

 このところ、薬物で逮捕された芸能人は保釈の時点でカメラに向かって頭を下げ、謝罪の言葉や姿勢を見せるのが“通例”となっていた。ところが、彼女はまったく見せない作戦を取った。これは写真も映像も残させないという戦術だ。きちんとカメラの前で謝った方が謝意が伝わるという意見もあるが、頭を下げるシーンを撮らせたら、今後、何度もそのシーンが扱われ、印象が消えにくくなる。実際、沢尻被告の、有名になった「別に」発言は今でも何度も使用され、知らない人はいないほど。そういうことを避けたということだ。

 次に、沢尻被告がいち早く出したコメントにも注目したい。

①多くの方々を裏切った後悔

②違法薬物と関わらないため人間を含めたつながりを一切断つ

③専門家の指導を受けて立ち直る

 これは通常、裁判で反省と今後を語るところで発言すべき内容。おそらく弁護人の文章だろうが、型通りでツッコミようがないし、治療を受けるというのは裁判官へのアピールになる。大方は懲役1年6月、執行猶予3年と予想するが、これより軽くなる可能性はあるだろう。

 所属事務所も「本人を更生させるための支援をする」とし、裁判の結果を見てから本人の処分を決めるとした。バックアップ体制を取るということは、彼女に女優を続ける道を残してやろうということ。大手の事務所だからこそできることでもあるだろう。

 知り合いの映画プロデューサーは「今の彼女は怖くて使えません」と言いつつも、こう続ける。

「10年もクスリをやっていたと言われては、またやるかもしれないと不安になる。ただ、事務所が責任を持つと言ってくれれば、復帰映画の可能性は大きくなる」

 平たく言えば、沢尻被告はまだまだ商売になるとみる向きが複数いるということ。沢尻被告周辺も、そのへんの事情は察知しているだろうし、そのために優秀と評判の弁護士を付け、事務所も支援すると公表しているのだ。

 早ければ来年2月にも判決が言い渡される。本人には“いばらの道”だろうが、女優を続けていくと決意したのなら、あとは見る側が受け入れてくれるかどうか。沢尻被告の復帰は意外に近いと思われる。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)