今最も重要な現代アーティストのひとりピーター・ドイグ 待望の日本初個展が2月開催!

引用元:ぴあ
今最も重要な現代アーティストのひとりピーター・ドイグ 待望の日本初個展が2月開催!

デビュー以来常に現代アートのフロントランナーであり続けるピーター・ドイグの日本初個展が、2020年2月26日(水)から6月14日(日)まで東京国立近代美術館にて開催。初期作から最新作まで約70点が出品される。

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ロマンティックかつミステリアス。なつかしくて、あたらしい。そんな、誰もがどこかで見たことがあるようで、誰も見たことがない世界を見せてくれる作品を手掛けるのがピーター・ドイグだ。

1959年にスコットランドで生まれ、カリブ海の島国トリニダード・トバゴとカナダで育ったドイグは、ロンドンの美術学校卒業後、94年にイギリスを拠点とする現代美術作家を対象としたターナー賞にノミネートされたことなどを通して、ロンドンのアートシーンで一躍注目を浴びた。

90年代はデミアン・ハーストに代表されるヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)と称される若手の作家たちが台頭。大型で派手なインスタレーションがアートシーンを席巻する中、時代遅れに見られることもあった「絵画」というジャンルに真摯に取り組んだドイグの作品が、極めて新鮮なものとして評価されたのだ。

彼の作品は一見、幻想的で個人の想像力のみで生み出された光景のようにも見える。しかしそれは、既存のイメージと彼自身の記憶などのイメージを複雑に組み合せて作り出されている。

ゴッホやゴーギャンなどの近代絵画から、『東京物語』や『13日の金曜日』などの映画のワンシーン、日本のニセコスキー場の広告グラフィックまで、そのイメージは実に多種多様。そこから生み出される見たことのない風景は人々の想像力をかき立て、世界中のオーディエンスを惹きつける不思議な磁力を放つ。

2002年よりトリニダード・トバゴに拠点を移して活動を続けるドイグは、名だたる美術館で個展を開催。美術市場でも高く評価され、彼の代表作のひとつ《のまれる》は、2015年のクリスティーズ・オークションで、当時約30億円で落札されたほどだ。

同展は、そんなドイグの初期作から最新作までの約70点を、全3章構成で紹介するもの。

第1章では主にロンドンで描かれた初期から2002年まで、第2章ではトリニダード・トバゴに移住した2002年から現在までの作品を展示する。第3章では、映画の直筆ポスター「スタジオフィルムクラブ」を日本で初めて公開。ドイグの視点から見た『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『座頭市』『お熱いのがお好き』といった名作の魅力的なイメージが並ぶ。

出品作には複数の大型作品も含まれ、中には幅3メートルを超えるものも。印刷物やスマートフォンでは伝わらないスケールを体感できるはずだ。

また、会期中に作家が来日し、3月1日(日)にはトーク・イベントも開催。ドイグ作品の魅力を余すことなく紹介する同展が、2020年の最も見逃せない展覧会のひとつになるのは間違いない。

『ピーター・ドイグ展』
2020年2月26日(水)~6月14日(日)まで東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリーにて開催

(c)Peter Doig. The Art Institute of Chicago, Gift of Nancy Lauter McDougal and Alfred L. McDougal, 2003. 433. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006