梅宮さん行きつけ焼き鳥店店主「亡くなったなんて思えなくて…」 死去3日前に「梅辰会」忘年会で料理、ビール堪能

引用元:スポーツ報知
梅宮さん行きつけ焼き鳥店店主「亡くなったなんて思えなくて…」 死去3日前に「梅辰会」忘年会で料理、ビール堪能

 12日に死去した梅宮辰夫さんと家族同然に交流していた神奈川県湯河原町の焼き鳥店「鳥助」主人の宗政広明さん(63)は13日、慕い続けた「オヤジさん」への思いを語った。

 カウンターの奥から2席目。亡くなるわずか3日前、梅宮さんが座っていたカウンターの指定席に腰掛けた宗政さんは「まだ亡くなったなんて思えなくて…。思い出…なんてありすぎて何を言ったらいいか分かりません…。昨日より今日の方がつらいな…」とつぶやいて涙をふいた。

 今月9日、梅宮さんを慕う地元の仲間たち「梅辰会」のメンバーと一緒に、店で忘年会を催したばかりだった。「オヤジさんは本当にいつもと変わらなくて。軍鶏(しゃも)鍋とおでんをおいしそうに食べて」。ビールと焼酎のグラスも傾け、笑っていた。

 車で約10分の距離にある真鶴町に梅宮さんが別荘を構えた後に始まった23年もの付き合いは、店主と客の関係を超えていた。店で自慢の白レバーを味わってもらったり、梅宮邸で往年のスターがさばく魚に舌鼓を打ったり。「名古屋に一緒に旅行に行く時、オヤジさんは『おう、グリーン車を1両貸し切っといたぞ』って。と思えば、お店ではどんなお客さんにも『こんばんは!』『お先に失礼します!』って頭を下げるような方でした」

 料理の道に進んだのも、梅宮さんが料亭の板前役を演じたドラマ「前略おふくろ様」(1975~76年)を見て憧れたから。「で、なぜか出会えて…。僕には父親がいないから、本当のオヤジだと思ってるんです」。妻のクラウディアさん、娘のアンナ、孫娘の百々果さんも常連で、家族のような存在だ。

 「梅辰会」メンバーは約30人。誰とでも分け隔てなく付き合った梅宮さんは、周囲に心配させまいと病のことをほとんど語らなかった。代わりに、合言葉のように宗政さんに言っていた。「また、一緒に料理やろうな」「料理、やろうな」。忘年会で聞いたばかりの声は、ずっと忘れない。(北野 新太)

報知新聞社