瀬々敬久の「ヘヴンズ ストーリー」35mm版ラスト上映、舞台挨拶やトークショーも

引用元:映画ナタリー

「楽園」の瀬々敬久が監督を務めた「ヘヴンズ ストーリー」アンコール上映が、12月14日から20日まで東京・K’s cinemaで行われる。

第61回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とNETPAC賞に輝いた本作は、家族を殺された幼い娘や妻子を殺された若い夫、見ず知らずの母娘を殺害した少年、その少年を引き取る女性などの姿を描いた上映時間4時間38分に及ぶ復讐劇。キャストには寉岡萌希、長谷川朝晴、忍成修吾、村上淳、佐藤浩市、柄本明らが名を連ねた。傷や色味の変化を理由に35mmフィルムでスクリーンにかけられるのは今回が最後となる。

初日舞台挨拶と上映期間中のトークショーも開催決定。初日舞台挨拶には出演者の山崎ハコ、栗原堅一、大島葉子、川瀬陽太が登壇し、瀬々のビデオメッセージも流される予定だ。詳しくは劇場公式サイトで確認を。

瀬々は「数えてみると今年で10年目の上映となる。いつのまにか、50歳代の最後の年齢になった」と振り返り、「映画の方もそれなりに年をとって35ミリフィルムに積もってきた傷や経年による色味の変化を見てもそれは感じられる。でも、変わらないものが映っているから、ここまで続けられたんじゃないかと思っている。それってなんだろうか。それを探りたいとまだまだ思ってる」とコメントした。

■ 瀬々敬久 コメント
「ヘヴンズ ストーリー」を作り始めたのは48歳の頃だ。
一年半の撮影と半年の仕上げで完成させ、公開の翌年には東日本大震災が起こった。世界の脆弱さを思い知らされたし、今もその延長線上で生きている気がする。そうこう上映を続けているうちに平成が終わって令和、来年は復興五輪だという。
数えてみると今年で10年目の上映となる。いつのまにか、50歳代の最後の年齢になった。
それだけ一つの作品に関わり続けることの幸せが上映空間にはあった。それは、キャスト、スタッフ、上映に関わってくれた人たち、そして何回となくあるいは何年に一度と思い出したように見続けてくれたお客さんたち、すべての人たちのおかげだと思う。
映画の方もそれなりに年をとって、35ミリフィルムに積もってきた傷や経年による色味の変化を見てもそれは感じられる。
でも、変わらないものが映っているから、ここまで続けられたんじゃないかと思っている。
それってなんだろうか。
それを探りたいとまだまだ思ってる。
そう、「ヘヴンズ ストーリー」という映画の上映が終わるわけでは決してないのです。
年、とったなあ。
とか言いながら、まだまだまだ。これから。

■ 「ヘヴンズ ストーリー」アンコール上映
2019年12月14日(土)~20日(金)東京都 K’s cinema
料金:一般 2000円 / 学生 1500円 / シニア 1200円
連日16:30~上映
※途中休憩10分あり

□ 12月14日(土)初日舞台挨拶登壇者
山崎ハコ / 栗原堅一 / 大島葉子 / 川瀬陽太
※瀬々敬久のビデオメッセージあり

□ 12月15日(日)舞台挨拶登壇者
村上淳 / 菜葉菜

□ 12月17日(火)トークショー出演者
山崎ハコ / 福島泰樹(絶叫歌人・下谷法昌寺住職)

□ 12月20日(金)トークショー「当時の助監督が語る瀬々演出」出演者
海野敦 / 菊地健雄

※イベント内容は変更になる可能性あり

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