『紅白』Pが語る“影の功労者”金爆への敬意 「自虐の裏にある真摯な姿勢」

引用元:オリコン

 大みそか恒例の『第70回NHK紅白歌合戦』が、いよいよ間近に迫ってきた。司会者、出演者が発表され、当日はどんなサプライズがあるのか? 今年はどのような喜びと感動を視聴者に与えてくれるのか? 東京五輪・パラ五輪を来年に控え、第70回という節目の年にどのような位置づけで放送されるのか同番組のチーフ・プロデューサーであるNHK・加藤英明氏が、今年の観どころを明かすと共に、昨今問われ続ける『紅白』の役目、あり方について語った。また、残念ながら出場できず12月25日に「もう紅白に出してくれない」を発売するゴールデンボンバーについても言及した。

【紅白特集】出場者一覧 キスマイ、菅田将暉、日向坂46らが初出場

◆「1963年の紅白」を意識、1年の振り返りではない未来志向の『紅白』にしたい

──第70回、令和初、そして来年の一大イベントを控えてとさまざまな節目である今年の『紅白』をどのように位置付けていますか?

【加藤】 やはり前回の東京五輪の前年に放送された「1963年の紅白」を意識しています。僕も20数年ほどなんらかの形で『紅白』に携わってきましたが、『紅白』というとやはり大みそかにその年を振り返る色合いが強いんですね。特に昨年は平成を総ざらいする『紅白』として、視聴者の皆さんもさまざまな場面で熱狂してくださいました。しかし今年は、来年に向けて日本全国が1つになれるようなメッセージを発信する、いわば未来志向の『紅白』にしたい。今年の『紅白』を起点として2020年を前向きに迎えられるように、昨年よりもさらにスケールアップした盛り上がりを目指しています。

──今年の出場者の選考基準について、どのような要素を重視されましたか?

【加藤】 選考の大きな柱である「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」、ベーシックであるこの3つの指標は変わらないのですが、特に初出場組については昨年から「今年の活躍」の要素として加わったデジタル市場の調査を強く意識しました。サブスクや動画視聴など個人の嗜好や接点が強く反映されるデジタルサービスですが、そこで多くの支持を集めているアーティストにテレビという媒体でライブパフォーマンスをしていただくことで、その魅力をより広い層へとお伝えする。昨年のあいみょんなどはまさに象徴的でしたが、それも“全世代型コンテンツ”としての『紅白』の役割だと思っています。