嘉門タツオ、終活ソングで笑って楽しく!還暦記念「顔面蒼白歌合戦」30日開催

 「鼻から牛乳」「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」など数々のヒット曲で知られるシンガー・ソングライターの嘉門タツオ(60)が10日、大阪・オリックス劇場で30日に開く還暦記念の年末コンサートを前に大阪市内で取材に応じ、「まだまだ好奇心いっぱいやで~」と“替え歌爆笑王”健在を強烈アピールした。

 公演は「祝☆還暦 顔面蒼白(そうはく)歌合戦!!~年末スペシャル」。以前の名称、大阪厚生年金会館時代を含め、紅白歌合戦に出演した1992年以来、27年ぶりとなるナニワの歴史のある劇場“降臨”を前にこのほど劇場を視察したが、「東京にも日生劇場や帝国劇場があるが、ここも古くて風格がある。ボクもそう感じられる年齢になったのかな」と感慨深げだ。

 最近は「終活」という新たなテーマに取り組んでいる。昨年にはそれを具現化した「HEY!浄土」「墓参るDAY♪」「旅立ちの歌」の3曲を含むアルバムをリリース。僧侶の知人から聞いた昨今の墓離れの話がきっかけだったが、背景には自身も人生の大台を迎えたことに加え、デイケアサービスや妹と弟のサポートを受けながら地元・大阪府茨木市で1人で暮らす高齢の母親(86)の存在もあったという。

 さらに「加山雄三さんや桑田佳祐さんにはできなくても、介護や衰えに関する話題を面白く歌うことが自分にはできる」という使命感が原動力になっているよう。先の3曲も過去の楽曲同様、あくまで楽しく、くすっと笑えるものばかりだ。

 そんな歌の内容からは窺いしれないが、デビュー36周年で一番苦しかったのは、35~45歳までの約10年間だったと告白。当時はアルバム制作に明け暮れた生活が永続的に続き、「締め切りに追われて、ただ、必死になって曲を作っていた」毎日を送った。だが「そういうサイクルがなければ生まれなかったモノもたくさんある。行ける時に、行けるところまで行って良かった」と限界に挑戦した日々を懐かしむ思いもある。

 かといって、このまま過去を振り返るだけで満足する気などはまったくなさそう。創作意欲は今も衰え知らずで、今回も来年の東京五輪関連の「マラソンが札幌になった歌」や、世間を騒がせている「桜を見る会」などをネタにした時事問題替え歌を披露し、ファンを喜ばせる計画もあるという。

 年の瀬に合わせ、最後は今年の漢字を問うと「やっぱり“楽”ですね。人生、楽しくなくちゃ!」と元気に締めくくった嘉門。少年のような遊び心がまだまだ満杯のようだ。

 同イベントには作曲家のキダ・タロー氏(89)やタレントの山田雅人(58)、ギタリストの押尾コータロー(51)、読売テレビ・森たけしアナウンサー(60)らがゲスト出演する。