【米ビルボード・ソング・チャート】ザ・ウィークエンドが3年ぶり首位、「恋人たちのクリスマス」3位へ急上昇

引用元:Billboard JAPAN

 ザ・ウィークエンドの新曲「ハートレス」が1位をマークした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 11月27日にサプライズ・リリースされた同曲は、前週と今週にポイントが分散され、12月7日付チャートでは、デジタル・ソング・セールス・チャートで15位(10,000ダウンロード)、ストリーミング・チャートでは32位(1,380万視聴)、エアプレイ・チャートでは45位(2,260万回)にそれぞれ初登場。Hot 100では32位にデビューしていた。

 先週の集計期間が2日だったのに対し、今週は残り5日分のポイントが加算されたため、デジタル・ソング・セールス・チャートで1位(58,000ダウンロード)、ストリーミング・チャートでは2位(3,000万視聴)、エアプレイ・チャートでは38位(2,620万回)にそれぞれ上昇。Hot 100でも30位ランクアップして首位に到達した。

 ザ・ウィークエンドが1位を獲得するのは、2016年末に「スターボーイfeat.ダフト・パンク」で記録して以来3年ぶり、通算4曲目となる。その他には、前年に大ヒットした「キャント・フィール・マイ・フェイス」と「ザ・ヒルズ」が首位獲得を果たした。TOP10入りは、昨年4月に最高4位を記録した「コール・アウト・マイ・ネーム」以来約1年半ぶり、通算9曲目。

 「ハートレス」というタイトルでは、2009年にカニエ・ウェストがリリースした同名曲が最高2位、シンガーソングライターのクリス・アレンによるデビュー曲が16位、ロック・バンドのザ・フレイによる同名曲が79位と、同じ年に3曲もランクインを果たしているが、Hot 100史上1位を獲得するのはザ・ウィークエンドが初となる。

 「ハートレス」は、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでも14位から1位に、R&Bソング・チャートでも3位から1位に、それぞれ首位獲得を果たしている。前者では5曲目、後者では通算6曲目の快挙達成。

 ザ・ウィークエンドは、その2日後の11月29日に「ブラインディング・ライツ」という新曲もリリースしていて、この曲は今週11位に初登場している。デジタル・ソング・セールス・チャートで2位(24,000ダウンロード)、ストリーミング・チャートでは6位(2,480万視聴)にそれぞれデビューしていているが、ラジオが解禁されていないため、エアプレイ・チャートではまだランクインしていない。

 「ハートレス」と「ブラインディング・ライツ」が収録される予定のニュー・アルバムも、近々リリースすると発表したザ・ウィークエンド。アルバム・チャートでは、1stアルバム『キッスランド』(2013年)が2位、2ndアルバム『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』(2015年)と3rdアルバム『スターボーイ』(2016年)、それからEP『マイ・ディアー・メランコリー、』(2018年)が3作連続で首位獲得を果たしている。

 ザ・ウィークエンドの浮上により、2週トップに立ったポスト・マローンの「サークルズ」は2位にダウン。デジタル・セールスは36%減の13,000ダウンロード、ストリーミングも10%減の2,220万視聴にそれぞれダウンしたが、エアプレイが好調で、先週とほぼ同等の週間9,220万回を記録し2位をキープしている。

 3位には、先週の18位からジャンプアップしたマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」がランクイン。TOP3入りは、今年の1月5日付チャートで記録して以来約1年ぶりで、同位ではあるが再び最高位に到達した。

 同3位を記録した2019年1月5日付チャートは、クリスマス・ウィークの集計期間にあたる週で、週間視聴回数5,190万回を記録し、ストリーミングの上昇によりTOP3入りを果たしている。一方、今週はまだ11月末~12月初週の集計期間にもかかわらず、週間3,510万回を記録してストリーミング・チャートのトップに立った。デジタル・ソング・セールス・チャートでは29位から10位に(9,000ダウンロード)、エアプレイ・チャートでも38位から32位に(3,100万回)にそれぞれ上昇している。

 主要チャートの上昇率や、現時点でのストリーミング数からみても、クリスマス・ウィークまでにNo.1獲得となる可能性は十分考えられる。発売から25周年を迎える今年、記録を達成すれば、マライアにとっては通算19曲目の首位獲得となり、歴代1位のビートルズ(20曲)に王手を掛ける。

 「恋人たちのクリスマス」の他にも、ホリデー・ソングが続々と上昇。まずTOP10入りしたのが、先週の29位から8位に浮上したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」。同曲もマライア同様、今年の1月5日付チャートでTOP10入り(9位)したが、今年は現時点でランクインし、初のチャートインから約58年を経て最高位も更新している。こちらもストリーミングの上昇が主な要因で、週間3,280万視聴を記録し、同チャートでは23位から4位に大きく順位を上げた。

 バール・アイヴスの「ホリー・ジョリー・クリスマス」も、前週の48位から18位に30位アップし、早くもTOP20入りを果たしている。上昇率が良ければ、次週TOP10入りするだろう。それから、ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」は47位から23位に、アンディ・ウィリアムスの「モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」は49位から24位にそれぞれランクアップし、日本でも人気の高いワム!の「ラスト・クリスマス」も46位から27位まで上昇した。ナット・キング・コールの「クリスマス・ソング」は33位にデビューしている。

 クリスマス本番を迎える前にこういった現象が起きているのは、昨年以上にストリーミング・ポイントが強化されたため。TOP10入りしているクリスマス・ソング以外のタイトルも、ストリーミングによるユニット数が高い曲ほど上位にランクインしている。今年の年末は、これらの人気ホリデー・ソングが最高位を更新することはもちろん、TOP10にも多数ランクインすることが予想される。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、12月13日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ハートレス」ザ・ウィークエンド
2位「サークルズ」ポスト・マローン
3位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
4位「サムワン・ユー・ラヴド」ルイス・キャパルディ
5位「メモリーズ」マルーン5
6位「グッド・アズ・ヘル」リゾ
7位「ロクサーヌ」アリゾナ・ザーヴァス
8位「ロッキン・アラウンド ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
9位「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」セレーナ・ゴメス
10位「10,000アワーズ」ダン+シェイfeat.ジャスティン・ビーバー