日本アニメ界“レジェンド”安藤雅司が初監督 アニメ映画『鹿の王』来年9・18公開決定

引用元:オリコン

 今年の3月に日本最高峰のアニメーターたちが集結し、ハイクオリティーな作品を生み出す制作スタジオ「Production I.G」でアニメ映画として制作することが発表されていた『鹿の王』(上橋菜穂子氏)の監督を日本映画界の歴史を支えてきたアニメーター・安藤雅司氏が務めることが10日、発表された。あわせて2020年9月18日に全国公開することが決まった。

【写真】上橋菜穂子・著『鹿の王』原作書影

 2014年に「小さなノーベル賞」と言われる「国際アンデルセン賞〈作家賞〉」受賞、代表作「精霊の守り人」シリーズはアニメとドラマで映像化され、海外からも注目されている作家・上橋菜穂子氏の代表作であり、15年の本屋大賞を受賞した小説『鹿の王』。

 物語の舞台は、強大な帝国が支配する世界。謎の病から生き延び、過酷な運命に立ち向かいながら旅を続ける血の繋がらない“父と娘”。その病から多くの命を救おうと、奔走する医術師。父と娘の“絆”―、そして運命的な“出会い”―。壮大な世界観の中に、緻密な医療サスペンスと感動のストーリーが組み込まれた、唯一無二の冒険小説となる。

 壮大かつ複雑な世界観から映像化は不可能と言われていた今作だが、今年の3月、日本最高峰のアニメーターたちが集結し、ハイクオリティな作品を生み出す制作スタジオ「Production I.G」にてアニメ映画として制作することを発表。原作ファン・アニメファンから多数の反響があり、原作者・上橋氏も「Production I.Gさんが制作なさると聞いて安堵しました。I.Gさんなら原作に囚われ過ぎず、アニメとして面白い映画を創ってくださるでしょう」と期待のコメントを寄せた。

 そしてこのほど、安藤氏が、今作で初監督を務めることが発表された。安藤氏は25歳の若さで『もののけ姫』(1997年公開 興行収入193億円)の作画監督に大抜てき、その後も邦画の興行成績を塗り替えた『千と千尋の神隠し』(2001年公開 興行収入308億円)、そして邦画の世界興行収入の首位となった『君の名は。』(2016年公開 興行収入250.3億円)という、なんと邦画の歴代興行収入上位4作品のうち3作品の作画監督を務めた。

 作画監督は、その腕次第で作品のクオリティーが大きく左右されると言っても過言ではない重要な役割。上記3作品はその映像のクオリティにおいて、国内外で非常に高く評価されている。そんなメガヒット名作を描いた安藤氏が『鹿の王』でキャラクターデザイン、作画監督、そして初の監督を務める。

 さらに、共同監督として安藤と共に映画を作り上げていくのは、『千と千尋の神隠し』では監督助手を、『伏 鉄砲娘の捕物帳』で映画初監督を務めた宮地昌幸氏。脚本は「ハイキュー!!」シリーズや『僕だけがいない街』など、数々の話題作を手がける人気脚本家・岸本卓氏が担当するなど、豪華スタッフが集結した。