【今だからみたいビートルズ映画】
ロックの歴史に燦然と輝くビートルズ。イギリスの工業都市、リバプールから誕生した4人組のバンドが突然解散して今年で50年を迎える。今だから、4人のビートルが残した映像作品をもう一度みてみたい。
英リバプールの4人の若者、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター。
彼らは1962年に『ラブ・ミー・ドゥ』でセンセーショナルにデビューし、70年の『レット・イット・ビー』をラストに解散してしまった。
そんな彼らの生き生きとした姿を見せてくるのが、『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(64年)と、『ヘルプ! 4人はアイドル』(65年)の2本だ。
ちょうど64年というとビートルズがアメリカに上陸した年。そう、全世界を熱狂させていた真っ最中だ。
『ヤァ!ヤァ!ヤァ!』は、2001年、09年のリバイバル公開時には『ハード・デイズ・ナイト』とタイトルが変更された。しかしオールド・ファンにはやはり『ヤァ!ヤァ!ヤァ!』のほうがしっくりくる。
メンバー全員が20代前半ということもあって、若さいっぱい。彼らが『ア・ハード・デイズ・ナイト』や『シー・ラブズ・ユー』といった楽曲に乗せ、スクリーンのなかで青春を謳歌(おうか)する姿は、モノクロのスタイリッシュさも相まって、凜々しく、カッコよかった!
世界中の上映館は熱狂的な10代、20代のファンであふれ、興奮のあまり泣き叫ぶ女性が続出したのもよくわかる。
英国の紳士的スパイアクション映画、007のパロディーを盛り込んだ『ヘルプ!』はバハマのある教壇の儀式に必要な指輪がリンゴの指に…。司祭が気づいたことで、追われることになるビートルズ。しかも指輪はまったく抜けず、ロンドン、アルプス、バハマを逃げ回るというコメディーとなっている。
2作品を手がけたのが、MTVから「あなたはMTVの父だ」と称賛されたリチャード・レスター監督。その後、1980年代のヒット作『スーパーマン』シリーズを手がけるA級職人となるのは当然のことか。
念願の日本来日を果たすのは66年。スクリーンでしか見ることができなかった“動くビートルズ”にファンが熱狂したことが言うまでもない。(夏目映視)
今だからみたいビートルズ映画 「スーパーマン」を手がけた監督の出世作に 『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』『ヘルプ!4人はアイドル』
引用元:夕刊フジ