宙に浮いた五輪スポンサーのチケットプレゼント まさかの延期に企業関係者は困惑

引用元:中日スポーツ
宙に浮いた五輪スポンサーのチケットプレゼント まさかの延期に企業関係者は困惑

 開催延期が決まった東京五輪・パラリンピックのスポンサー企業が実施しているチケットプレゼントの応募締め切りが次々にピークを迎える。だが、来年の開催日程も「7月」が浮上したものの、確定には至らず、テレビCMをはじめ、大々的なキャンペーンを打ってきたスポンサー企業にも困惑が広がっている。チケット抽選でゲットできず、キャンペーン商品を購入して応募した消費者も宙に浮いたプレゼントに気をもむ日々がしばらく続きそうだ。

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  女優吉田羊(年齢非公表)をCMに起用したENEOSの五輪、パラリンピックチケットが当たるキャンペーンは31日が応募締め切り。ガソリンなどENEOSの製品利用額に応じ、開会式・閉会式、観戦チケットなどのコースに分かれている。25日までの利用が対象で、同社広報部は「吉田さんのCMも25日で終了しました。今夏の開催がなくなり、(延期になった)大会チケットの取り扱いについては組織委に確認しているところ」と説明する。

 予定したチケットが延期された大会でも同様に得られるかは「われわれが判断できるものではなく、現段階ではお話しすることはありません」。

 ワールドワイド最高位スポンサーのパナソニックは綾瀬はるか(35)を起用し、製品購入でポイントを集め、応募するプレゼントを実施。このキャンペーンも31日までに購入した製品が対象で応募は5月末まで。

 だが、キャンペーンがどうなるかについて同社広報担当は「(延期された大会の)チケットがどうなるか分からず、今の時点では検討中としか言えない」と、開催時期、チケットの取り扱い方針が確定しない以上、当選者への連絡なども動けない状況だ。

 都内勤務の会社員は「家電量販店で、製品選びに迷っていると、店員が『パナソニック製品なら五輪チケットが当たりますよ』とセールスしていた。チケット抽選で外れ、期待して選んだ消費者も多いのでは」と話した。

 同じく応募締め切りの31日を迎えたアサヒビールは同社のビールなどの応募シールを集め、五輪・パラリンピック決勝チケットが当たるキャンペーン。同社では「開催時期が未定で、まずは決まらなくては何ともお話しできることはありません」と想定外の展開に困惑する。

 プレゼントされるチケットに変更などの可能性はあるのだろうか。キャンペーンの応募規約に「天災地変、官公庁の命令などで賞品の内容を変更する場合があり、応募に関わる費用(商品購入)の返金には応じられません」と盛り込んでいる企業もある。

 ほかにもスポンサー企業が同様のチケットプレゼントを実施しているが、各キャンペーンのチケット当選発表は今夏開催だったら5―6月というパターンだった。応募者がどれだけいるかは開示されていないが、日本全国でヤキモキする人は相当数に上るのは間違いない。