「恋つづ」成功の佐藤健が意識する“キャリアかぶり”の吉沢亮

「恋つづ」成功の佐藤健が意識する“キャリアかぶり”の吉沢亮

 初回視聴率が9・9%だった佐藤健(31)の主演ドラマ“恋つづ”こと「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)は、最終回で15・4%にまで数字を伸ばした。最後の撮影ではプロデューサーの口から続編の可能性についても出たという。

 ドラマの成功を後押しした理由のひとつはSNSを駆使したこと。佐藤はスタート直前に公式LINEを開設し、〈明日、夜空けといてね〉〈おはよ〉〈あとでラインする〉などと囁き、これにファンが大喜び。「健がヤバい!」「恋人気分を味わえる」と一気に噂が拡散した。

 もうひとつの勝因は、佐藤が私生活を惜しみなくドラマに投影させたことだ。「恋つづ」の佐藤のひとつひとつのしぐさが若い女性視聴者を“胸キュン”させたことが、情報番組でも散々取り上げられた。そのシーンの一部は佐藤自身のアイデアだったという。上白石萌音(22)が演じる看護師・佐倉七瀬の濡れた髪を佐藤がドライヤーで愛おしそうな表情で乾かしてあげるシーン、七瀬の脱げた靴を健が膝をついて履かせてあげるシーンは、いずれも「ここの部分、こうしてあげると女性はもっと喜びますよ」と、佐藤が演出家に助言したことで成立したという。

 この佐藤の「恋つづ」での急変ぶりについて、芸能関係者は次のように証言する。

■事務所の後輩に先を越された

「佐藤は大手芸能プロに所属していますが、決して安泰なポジションにいるわけではありません。最近、佐藤が最もショックを受けたといわれるのが、昨年9月に発表された2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主演に事務所の5歳下の後輩である吉沢亮が抜擢されたことだといいます。佐藤は役者として大河ドラマで主演を張ることを目標にしてきたのに、その夢を後輩に奪われてしまったわけです。19年の大河『いだてん~東京オリムピック噺~』の準主演も、やはり後輩の神木隆之介に横取りされてしまいましたから、佐藤はさぞかし悔しかったと思います」

 佐藤は10年放送の大河ドラマ「龍馬伝」の岡田以蔵役で高い評価を受けた。この時、「龍馬伝」で主演を務めた事務所の先輩、福山雅治(51)から「次の大河は健の番だな」とお墨付きをもらっていたというから、動揺を隠せなかったはずだ。

 さらに佐藤の心をザワつかせるのが吉沢の存在だろう。大河ドラマの主演で先を越されただけでなく、何かとキャリアがかぶるのだ。佐藤は07年放送の「仮面ライダー電王」(テレビ朝日系)で注目され、その後、着々とキャリアを積み上げてきた。2年前には朝ドラ「半分、青い。」で若い永野芽郁(20)のサポートに回り、NHKにも貢献している。

 一方、吉沢は11年放送の「仮面ライダーフォーゼ」(同)で注目を集め、19年にNHKの朝ドラ「なつぞら」も経験した。

「確かにキャリアは佐藤の方が少し上ですが、吉沢に対する業界の評価は2年前にベルリン国際映画祭に出品され国際批評家連盟賞を受賞した映画『リバーズ・エッジ』あたりから急上昇しています。この作品をきっかけに吉沢には海外からも出演依頼があるようです。共演者と必ずといっていいほど演劇論を戦わせる小栗旬も『あいつ(吉沢)の芝居には一点の曇りもない。そしてこっちが思わず見とれてしまうくらい奇麗な顔をしている』と絶賛しています。この1、2年で佐藤と吉沢の立場は逆転しました」(テレビ関係者)

 もっとも、“恋つづ”をきっかけに佐藤が始めたユーチューブチャンネルはすでに登録者が130万人を突破。恋つづ自体も成功させ、猛烈に巻き返しを図りつつある。この勢いを維持すれば再逆転も難しくないはずだ。

 ただ、同じ所属事務所の俳優が連続して大河に出演することはない。佐藤が大河に出演するとしても23年以降になる。佐藤にとっては長い戦いとなる。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)

※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区